竹久夢二も愛した室津散策

妻と休みが合った振り替え休日の今日、以前から気になっていた兵庫県たつの市御津町室津にある室津港の町並みを散策してみようと思い出掛けることにしました。室津竹久夢二も愛した港町で、日本遺産にも認定されている港町です。昼食は室津にある道の駅みつで美味しい海鮮料理をいただく予定です。

 

10時過ぎに自宅を出発、2号線からブルーラインを経由し、備前で再び2号線に乗換えJR竜野駅近くから南に下り、国道250号線沿いにある道の駅みつにやってきました。散策前に腹ごしらえをしておきます。

が……

 

何と駐車場が満車です。少し先にある臨時駐車場もほぼ満車状態だったので、先に室津の町並みを散策し昼食のピーク時間を避けることにしました。

 

室津港に到着しました。駐車場には海駅のまち室津という観光案内板が設置されていたので、一読し散策を始めます。

 

番所跡公園には、大阪城の石や入港した北前船が係留する際に船を繋いだ、もやい石などが展示されていました。

 

今では牡蠣養殖を主体にした漁師町として栄えているようです。

 

町中を散策していると、本陣肥前屋跡の石碑がありました。

 

脇道の徳乗寺参道の先に山門が見えていました。

 

たつの市の出張所などがある室津センターです。館内にはみなと茶屋という喫茶もあり、軽食などもいただけるようです。

 

この場所は姫路藩御茶屋跡のようです。この御茶屋朝鮮通信使が来日された際、宿として使用され姫路藩によりもてなしがおこなわれていたようです。

 

少し進むと、また本陣跡がありました。本陣越前屋跡のようです。

 

さらに進むと、虫篭窓を備えた風格ある建物が見えてきました。たつの市室津民俗館のようで、室津が海の宿駅として繁栄していた時代の数少ない建物の一つだそうです。入館料は200円ですが、海駅館との共通券が300円だそうなので、共通券を購入し入館しました。

 

この建物は屋号を魚屋といい、江戸時代に名字帯刀を許された豊野家住宅です。豊野家は姫路藩の御用達を務めた豪商で脇本陣も兼ねていたそうです。

 

押し入れの中に布団ダンスが収められていました。このタンスの扉は欅の木目が左右一対の一枚板が使用されているそうです。

 

藩札が並べられています。

 

隠し階段の箱階段を上ります。

 

二階に上がってきました。

 

登城に使用された籠が展示されていました。

 

八朔雛人形という雛人形が展示されています。八朔とは八月朔日の略で旧暦の8月1日のことを指すようです。

戦国時代の1566年(永禄9年)1月、室山城主浦上政宗の二男清宗に黒田官兵衛の妹が嫁ぎ婚姻をあげた日の夜、対立関係にあった龍野城赤松政秀に急襲され、花嫁も奮戦したようですが討ち死にされたそうです。このことから室津地域では花嫁の鎮魂のために、雛祭りを延期し8月におこなうようになったようです。

 

今でいうオママゴトセットのようなものでしょうか、雛遊び道具が展示されていました。

 

革細工の作業場がありました。室津は日本最大といわれた、なめし革産地の姫路藩の飛び地であったことで革細工が始まり、参勤交代で立寄った西国大名などの土産として人気が高まったようです。また、1826年(文政9年)にこの地に立寄ったシーボルトは革文庫と煙草入れを作ったそうです。

 

革細工に使用する道具も展示されていました。

 

スタッフの方から庭の梅が咲いていますよと伺ったので台所を抜け庭に向かいます。

 

庭側から見た魚屋こと豊野家住宅です。

 

紅梅が綺麗に咲いています。

 

白梅と豊野家住宅です。白梅はまだ少し早いようでした。

外に出て先に進みます。

 

またまた本陣跡がありました。本陣紀伊国屋跡のようです。通常本陣は一つの宿場に一つ、多くても二つと言われていますが、室津には沢山の本陣があったようです。

 

狭い昔ながらの道をさらに進みます。

室津漁港の町並みを散策していると、何故か懐かしさというか郷愁のようなものを感じました。

 

たつの市室津海駅館に到着しました。屋号が嶋屋という廻船問屋で脇本陣を兼ねていた豪商の住宅のようです。室津が海の宿駅として繁栄していた時代の数少ない建物の一つだそうです。共通券で入館します。

 

入口脇には弁財船の1/10模型が展示されていました。

 

一階の平面図です。しかし広い屋敷で、まさにニシン御殿です。

 

東海道五十三次で有名な安藤広重が1858年(安政5年)に山海見立相撲という作品集のなかで室津を描いた作品です。広重はこの作品のほか日本湊尽 諸国名所百景でも室津を描かれていて、当時の海上交通の要地であったことが伺えます。

 

廻船問屋であった嶋屋は、このニシンで巨大な富を築いたそうです。一番奥がニシン干しの様子で、ニシンからエラと内臓を取り出して2~3日干し、身を裂いてさらに2週間ほど干して身の部分を切り離すそうです。左が羽鰊で、身を切り離した後、魚肥として各地に送り出されていたようです。右のニシンは身欠鰊というそうで、この部分は食用として送り出していたようです。

 

本陣肥後屋に飾られていた欄間で、中央部が欠落しているものの藤をデザインされたと考えられています。

 

宿札です。関札ともいいい、本陣肥後屋で江戸期に使用されていたものだそうです。

 

18世紀中ごろの本陣と利用された大名が記されています。この室津には一津屋、肥前屋、薩摩屋、筑前屋、肥後屋、紀国屋と6軒もの本陣があったようで、全国でもとても珍しいことのようです。

 

本陣薩摩屋の大名の献立です。

 

朝鮮通信使行列の様子です。

 

1882年(天和2年)に総勢475人の朝鮮通信使が五代将軍徳川綱吉の将軍襲職を祝賀するため、7回目の来日をされた際に御茶屋で提供された料理で、藩主本田忠国が、正史、副使に出された料理七五三引替膳を再現されたものだそうです。

この料理が本膳……

 

続いて二の膳……

 

そして三の膳と超豪華な料理が続きます。

 

御菓子九種です。

まずは三品……

 

続く三品……

 

最後の三品です。

 

二階のこの部屋は天井に特徴があり、船底のような曲線を描いていることから、屋形船之間と呼ばれていたようです。

 

本陣肥後屋の模型です。

 

1764年(宝暦14年)に朝鮮通信使が来航された時の様子を描いた図屏風です。

 

この部屋は建物の中で一番格式が高く、地板や違い棚の板は入手困難と言われていた玉杢入りケヤキが使用され、床の間周りの壁仕上げは鳥の子紙貼り、天袋や地袋の襖絵は赤穂藩の御抱え絵師長安義信によるものだそうで、当時の嶋屋の繁盛ぶりが伺えます。

 

鶴をデザインした釘隠しです。

 

その部屋からの眺めです。

 

一階に降りて海側に出ます。

 

海側の出入り口です。

 

目の前には港が広がります。

 

竹久夢二が長期に渡り宿泊していた旅館を伺うと、現在の国道250号線沿いにある、きむらだったそうです。当時はまだ町中にあったそうですが、この場所に移転されたようです。


室津は港町として約1300年の歴史を持ち、奈良時代行基により港が整備され、江戸時代には海の宿場町として栄華を極めたようです。室津はロマン香る地として竹久夢二も愛した街であり、井原西鶴谷崎潤一郎司馬遼太郎平岩弓枝などの作品にも取り上げられ、描かれた室津は艶やかで時には切なく、そしてどこか懐かしさが感じられます。

車に戻り遅くなりましたが昼食に向かいます。

 

道の駅みつに到着しました。何とか駐車することはできましたが、すごい人であふれかえっていました。

食堂に行ってみると、予約ノート3ベージに名前がぎっしりと書き込まれています。おそらく1時間待っても食べることはできそうにありません。

 

仕方がないので、外にある海風でテイクアウトすることにしました。

 

私はカキコロバーガー、妻はカキフライドックにしました。

 

妻がオーダーしたカキフライドックです。

 

私がオーダーしたカキコロバーガーです。

 

海の見える階段にあるベンチでいただきました。

 

沖合には家島が望め、その手前には沢山の牡蠣筏が浮かんでいます。

 

食後のモクモクタイムです。

海岸では沢山の方々がくつろがれていました。 しかしお腹はこれだけでは少し物足らないので、自宅近くにあるジョリーパスタで牡蠣フェアをしていたのを思い出し、パスタをいただくことにしました。

出発します。

 

道の駅みつから2時間足らず、自宅近くのジョリーパスタに到着、オーダーしたのは……

妻がオーダーした黒トリフュフ香るクリームソース、ベーコンときのこ(979円)です。

 

待つこと15分足らず、私がオーダーした窯焼きチーズパスタ(1,529円)が出来上がってきました。播磨灘産牡蠣とグリルベーコンです。岡山まで帰って来て播磨灘産の牡蠣をいただくとは思いませんでしたが、もしかして室津産?

 

取り皿に取りいただきます。

それなりに美味しくいただきましたが、多少焼きが甘いように感じ少し残念でした。しかしお腹は落ち着いたので自宅に帰ります。

今回は天候にも恵まれ、以前から歩いてみたいと思っていた室津の町並みを散策することができましたが、楽しみにしていた道の駅みつでの昼食が食べれなかったのがとても残念でした。まさかこんなに人が多いとは思ってもみませんでした。しかし考えてみれば、今回は3連休の最終日だったので仕方がなかったのかも知れません。

 

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