私が今回自転車を検討中、アイゼルM300のネットでの情報が乏しく正直どんな自転車なのかよく判りませんでした。そんな事もあり今回自分で実際に使用し感じた事などを記載することにしました。この自転車の購入を検討されている方の参考になればと思います。
菜花が香る季節になり、そろそろスノボーシーズンも終わりのように思えます。このシーズンは2度も大転倒して、一度はパトロール隊のお世話になるなど、今までに経験したことのない大波乱のシーズンでした。やはりその根底には年々衰える体力が起因しているのではないかと思います。以前からオフシーズンも何か体力作りに励まなければと考えていたこともあり、今回手頃なところで自転車通勤から始めてみることにしました。
今迄自転車は街乗りは素より、手近なところで「吉備路自転車道」(岡山市~総社市)や「吉備高原自転車道」(岡山市~吉備中央町)、岡山県内では「蒜山高原自転車道」(真庭市)や「片鉄ロマン街道」(備前市~和気町~赤磐市~美咲町)、「風の道」(倉敷市)、少し離れたところでは「しまなみ海道」(広島県~愛媛県)や「安芸灘とびしま海道」(広島県~愛媛県)などを走っていました。特に「蒜山高原自転車」はお気に入りで、冬場以外年に数回は走りに行っていました。しかし今ではそんな自転車ともすっかりご無沙汰しています。
その頃は天気が良ければ自転車通勤もしていましたが、ここ数年通勤はバイクや車の生活で、日頃ほとんど自転車に乗る事が無くなっていて、もっぱら息子が私の自転車を使い通勤していましたが、昨年4月の終わり頃、深夜勤務先から自転車で帰宅途中、下り坂でスピードが出ていた際に小動物の様な物が飛び出してきたので回避のため急制動をした弾みで転倒し息子と自転車が怪我をしてしまいました。幸い小動物はそのまま立ち去ったそうなので一安心ですが、その自転車の修理見積をしてもらうと、摩耗部品の交換も含め35,000円程かかるようなのでそのままにしていました。良い自転車でしたが今更年代物を修理するのもと思い、昨年の秋口頃から少しずつ買換えに向け調べ始めていました。
もう長距離は乗ることもないだろうと、街乗り中心でミニベロを第1候補に、また今迄乗っていたのがクロスバイクだったので、ロードバイクにも乗ってみたいとう気持ちもありロードタイプのミニベロを色々と物色していました。
予算は10万円以内、候補を「LOUIS GARNEAU EASEL ADVANCED 1 」、「GIOS FELUCA」、「EIZER M300」の3車種に絞り込みました。それぞれ一長一短があり、今一絞り込むことが出来ません。
しかし、3車とも輸入車のため肝心の自転車がコロナ禍の影響で生産が伴わず輸入がストップ状態です。先日自転車店に確認したところ、海外には少しずつ出回り始めたそうですが、日本への入荷は全く目処がたっていないそうです。そんな中EIZER M300が販売を再開されたので、待ちくたびれたこともあり、幾つか思うところもありましたがM300を購入することにしました。
このEIZER M300はネットのみの取扱いです。発注翌日には配達されてきました。思っていたよりコンパクトな段ボール箱でした。3車の中で価格が一番安いのは良いのですが、組立や調整は全て自分でしなくてはなりません。業種は違いますが私もエンジニアの端くれなので腕が鳴ります。
昼前に荷物が到着しましたが、昼過ぎまでは家の用事をしていたので、14時過ぎ頃から箱を開き組立をはじめました。
箱から出した状態です。自転車本体横に前輪とハンドルがインシュロックで固定されていて、サドルと小さな段ボール箱が一緒に入っていました。小さな段ボール箱には組立工具一式と、ペタル、保証書、取説などが入っていました。
まずはインシュロックを切り、前輪を取り外しました。ホィールは40mmディープリム、タイヤは20×1-1/8(30-451)です。
憧れていたデスクブレーキです。ミニベロロードでデスクブレーキ仕様は候補の内ではEIZER M300だけです。
自転車に取り付ける前の状態で車輪を回転させると、コトコトと小さな音がして少し引っ掛かったような感じで回転しています。ベアリングの締め付けトルクが少し強いのか、ベアリングの馴染み不足なのかよく判りませんが、メーカーで規定トルクでセッティングされているはずなので、このまま組立様子を見ることにしました。
次にハンドルを取り外し、自転車に取り付けます。初めてのドリップハンドルに大きな期待の反面、腰への負担もありそうなので少し不安も覚えます。
前輪を取り付けました。車体に付けた状態で車輪を回してみると先程のコトコトと言う音は聞こえませんが、シャリシャリシャリとブレーキパットがデスクに擦れる音が聞こえました。また回転抵抗が少し高い感じもします。後から単体で出ていた音の確認とブレーキパッドのクリアランス調整を行ってみます。
後輪もデスクブレーキ仕様です。回転させてみると後輪は特に気になる異音は確認できませんが、前輪同様回転抵抗が少し高い感じがします。しばらく様子をみて必要であれば調整を試みます。
YINING社製の機械式(ワイヤー式)ディスクブレーキです。
前の自転車から使える部品を取外し、♻️(リサイクル)します。資源の有効活用!と言いつつ経費削減のため仕方がなくですが……
フロントギアは2段、52×42T L170mmで、ディレーラーはSHIMANO Tourneyです。
リアギアは7段、SHIMANO MF-T500-7 14-28T(歯数は14-16-18-20-22-24-28T)で、ディレーラーはSHIMANO Tourneyです。
micro SHIFT社製のデュアルコントロールレバーSB-R472-14です。このレバーはブレーキレバーとシフターが一体化していて、操作はしやすいようですが私は初めてなので期待と不安が高まります。
ハンドルバーに巻いてあるバーテープもカーボン調で良い感じです。
フロントバック、ライト、ベル、サイコン(サイクルコンピューター)、テールランプ、スタンド、バックミラー、エアーポンプ等使える部品は全て活用しました。
バックはTOPEK《トピーク》のツアーガイド ハンドルバーバッグ(L255×W180×H230mm、容量5L)です。
バックはハンドルバーより背丈がかなり高くなり何かアンバランスなように思います。前の自転車は重量がかかった際の傾き対策でバッグの横から自作のステーで補強し、バックに付属していたコンピューターマウントバーを加工し、ナビを付けていたのでナビに隠れてさほど気になりませんでしたが今回は少し気になってしまいました。また、写真のとおりハンドルバーにはライトを装着をするスペースがありません。
バック裏の取付ブラケットの位置を5cm程上に移動し、残った穴は内側から塞いでいます。更にバツク本体内の後面と下部L部に補強板を追加加工し荷重がかかった際の傾き対策も行いました。
取り付けて後方から見た状態です。補強材はバックの内側に付けたので外観からは判りません。
良い感じになりました。
ポタリングがてらカメラを持って街中散策や児島湖や阿部池に出かることも想定し、カメラを入れてみると……
Canon EOS 9000DにCIGMA 100-400mm を装着した状態だとバックに納まりきりません。
キットレンズのEF-S18-135mmに取り換えてみると何とか収まるようですが、他に何も入りません。今後の使用状況を見ながらバックの買替も考えなければならないかも知れません。
少しは格好も良くなったと自負しています。
ハンドルバーに取り付け出来ないライトは前の自転車と同様に、フロントフォークのダボ穴に手作りブラケットで取り付けました。今迄は部材のステンレス材のまま装着していましたが、今回黒塗り塗装を施しました。
ライトは既に廃盤になっているCAT EAE社製のエコノム フォース リチャージャブル HL-EL540RCです。このライトは4,000cd《カンデラ》(170lm《ルーメン》)ととても明るく、暗くなってしまった時の走行には重宝していた物です。ちなみに、一般的なロウソクが大雑把に言えば1cdの光度(光の明るさ)だそうです。
サイコンはCATEYE社製のCC-MC200Wです。取り付け後今迄の走行距離を見ると1,972kmの表示、改めてかなりの距離を走っていた事に気付きました。今回自転車も変わるのでリセットして、気持ちも新たにスタートします。
テールランプはPanasonic社製の「LED かしこいテールライト SKL090」です。このテールランプは暗くなると振動を感知して自動点灯、夜間走行していてもかなり遠方からも被視認性が高いものです。
スタンドも流用しましたが、流石に27inと20inでは足の長さが合わないため、先端を3cm程カットして取り付けました。しかしスプリングカバーとブレーキデスクが干渉したため少し外側に傾けて隙間を確保しました。これで大丈夫とペタルを漕いでみると、スタンド取り付けブラケットと足の踵がたまに接触してしまいます。
ブレーキデスクと5mm程の隙間を確保しています。気を付けてペタリングすれば踵に当たることは無いとは思いますが、疲れた時などに気が緩み踵に当たるのが嫌なので後日センタースタンド等に交換を考えています。
バックミラーも流用しました。このミラーは小型の割に後方の視認性も良くもお気に入りの一つですが、傷まみれで長い年月私の安全走行に貢献してくれたことを感じます。
エアーポンプも同じ場所に取り付けました。黒色のインシュロックが無かったので白色のものを使用しました。
このM300にはボトルホルダーを取り付けるネジ穴がありません。ポタリングでもやはり給水は必須です。その取付場所等も含め今後色々と考えてみます。
ということで、ひとまず組立が完了しました。前方からのM300のショットです。
右前方からのショットです。
サイドショットです。
後方からのショットです。そこそこ小綺麗に纏まったのではないかと思います。
この後前輪のデスクブレーキのクリアランス調整を行い擦れ音は解消、前輪も回転時の異音や引っ掛かりも感じません。ベアリングの当たりの関係だったのかも知れないと思い、しばらく様子を見てみる事にしました。
試走してみるとフロントディレーラーのアウターリングとチェーンが僅かに干渉し擦れる音、それに後輪ギア付近からガシャガシャガシャと微かな異音がしています。フロントディレーラー部は一回転に1回と部分的に発生しているようです。良く見てみるとアウターギアが多少変形しているようでした。取り敢えず隙間を作り音を無くしました。次にリアディレーラー部からの異音もワイヤーのテンション調整で消すことができました。ひとまず、めでたしめでたしです。
このアイゼルM300は価格も他の2車より安く、LOUIS GARNEAU やGIOSのような知名度もないこともあり、かなり悩みどころでした。仕様をみるとSHIMANOのディレーラーやギヤは使用しているもののグレードは一番下の製品で、ハブはボスフリー、デュアルコントレールレバーやディスブレーキなどはあまり聞かないメーカーの物を使用しています。それに何より自分で組立て調整する必要があります。部品代の差額や、組立調整費用などを考えると他の2車の販売金額を上回るかも知れません。しかし装備は私の要求を叶えていることもあり、以前のような、しまなみ海道日帰り走行などといった長距離走行はする予定もなく、通勤や街乗り中心の利用目的からすれば十分ではないかと判断し購入しました。実際に組立調整を行ってみて、先に書いたような不具合などもあるようですが、様子を見ながら天気の良い日には近回りから少しずつ乗ってみたいと思います。走行状況等は今後追々記載していきたいと思います。