職場の友人と新型コロナが少し落ち着いたらツーリングに出かけようと話としていて、天気も持ちそうなので休日が合う今日、今がシーズンの二十世紀ナシを購入がてら山陰へツーリングに出かける事になりました。岡山では9月12日に緊急事態宣言が解除され、13日から9月末までまん延防止等重点措置に変わり、また明日からは台風14号と秋雨前線の影響で岡山では大雨が続く予報のようです。
コースは鳥取砂丘近くの「ふくべ梨狩り街道」沿にあるナシ園に寄りナシを購入、その後山陰道で鳥取県東伯郡琴浦町にある「魚料理 海」で「鳴り石丼」を食べ、その名前の由来でもある「鳴石の浜」を散策、帰り道、以前他の友人から聞いた事のある真庭市の「彼岸花」に立ち寄る予定です。
混雑を避け朝7時に岡山IC近くで待ち合わせです。自宅を6時過ぎに出発し待ち合わせ場所に到着したのは6時25分… あまりに早く着き過ぎてしまいました。待つ事30分足らず友人がやって来ました。合流後国道53号線を北上し、北区御津金川から県道255号線、468号線経由で「やまなみ街道」を目指します。
県道468号線を北上し国道484号線との交差点(赤磐市小鎌《おがも》)に出てきました。交差点の手前に「広域農道 美作やまなみ街道」の案内板があり、ここから「やまなみ街道」に入りますが、この道路を走るのは久しぶりです。
「やまなみ街道」は変化に富んだロケーションや壮大な風景を眺めながら走行する事が出来、最高のツーリングコースです。
ちなみに、「やまなみ街道」といえば、高速道路の「やまなみ街道」(正式名称は中国横断自動車道尾道松江線、通称尾道道&松江道)と同名ですが、この道路は岡山県が管理する広域農道の一つで、正式名を「中部台地広域農道」と言い、通称名として「やまなみ街道」と呼ばれています。岡山県では広域農道のことを「○○街道」と呼び、「吉備高原街道」「奥吉備街道」「作州街道」「備南街道」「星の里街道」「かぐら街道」「千両街道」などそれぞれ地域の特徴を名付けた広域農道がありますが、どの街道もツーリングは最高です!
東津山から再び国道53号線に合流し、鳥取県境を目指します。勝田郡奈義町にある馬桑ループ橋が見えてきました。このループ橋は高低差40mを一回転して登っています。
岡山と鳥取の県境となる黒尾TNを抜け最初の休憩です。
袂にはススキが沢山茂り、眼下には鳥取県の山々を望むことが出来ます。しっかりとタバコ休憩をして出発です。
智頭ICから鳥取道に乗る予定でしたが、生憎智頭IC~河原IC間が工事のため通行止となっていたので、そのまま国道53号線を走行しました。
河原ICから鳥取道に乗り、鳥取西ICをそのまま通過します。当初の予定では「ふくべ梨狩り街道」沿いにあるナシ園に立ち寄るはずでしたが、黒井峠で休憩した際友人から高速道をわざわざ降りるより倉吉市にナシの直売所があるので、そこに立ち寄ろうと言われ、そのまま通過する事になりました。
途中、山陰道のはわいPA(東伯郡湯梨浜町)に休憩がてら立ち寄り、PA内にある「かねまさ浜下商店 道の駅はわい店」で土産用の魚を見てみる事にします。
同じようにテナント店の勝丸青果の前には沢山のナシのコンテナが積み上げられています。しかも安い! 友人がここで買っておこうと言うので私も購入する事にしました。
1コンテナ1,200円からでサイズもM~LLまで色々と揃っています。形が多少不揃いなのと少し黄色味がかっていましたが、自宅で食べるには十分です。私はMサイズの物1コンテナとLLサイズを友人と半部に分ける事とし、1.5コンテナ分購入しました。これがバイクのトランクに入るギリギリの量です。
ナシをバイクに積み込み「かねまさ浜下商店 」にも行ってみます。沢山の魚が並んでいます。70cm程のハマチが1,600円で並んでいて気になります。
美味しそうなのどぐろも気になるところです。
白いかを見ているとスタッフの方が奥にいいのがありますよと見せてくださいました。1杯1,200、大振りで肉厚もあり食べ応えもありそうなので思わず買ってしまいました。さばいていただき持参したクーラーボックスをバイクまで取りに行き氷と共に詰めて頂きました。バイクへ戻りトランクへ… 何とか収まりました。さすがスクーター‼️
バイクに戻ると友人がナシを入れたバックを後部座席に固定していました。かなり大きな塊になっていたので聞いていみると「バックにまだ余裕があったので追加で入るだけ買った」と言っていました。いったい幾つ買ったのか…
準備を終え出発します。
11時過ぎ、「道の駅 ポート赤碕」の隣にある「魚料理 海」(東伯郡琴浦町)に到着しました。時間も早くさほど混んではいないようです。
私たちは奥の座敷に上がりましたが貸切状態です。ここに来ると毎回このテーブルに座ってします。
窓からは赤碕漁港と日本海を望ことが出来ます。
友人はメニューを見ながら悩んでいましたが、結局私と同じ「鳴り石丼」に決めオーダーしました。スタッフの方から「大盛りも出来ますが…」と聞かれ、「普通で盛りでいいです」と言うと… 「今本店から魚を持って来ていますので、後10分ほどかかりますがよろしいですか?」と尋ねられました。私たちは急ぎでは無いのでのんびりと待つ事にしました。待つ間私は表に出てタバコタイムです。
出てきました。「鳴り石丼」です。
「鳴り石丼」とは、この店の近くにある「鳴り石の浜」から付けられた名前だそうで、打ち寄せられる波で転がる大小の石を表現されたようです。
その「鳴り石丼」はこれでもかと言わんばかりに大きく切り分けられたハマチやサーモンなどの刺身の上にド~ンと猛者エビが真ん中に積み上げられている、まさに宝の山のような丼です。友人が「大盛りになったらどうなるんだろ…」と心配していました。
刺身は厚みがあって食べ応えは十分、猛者エビそのものの甘みもさることながら少し濃い甘目のタレにもよく漬かっていて味も最高! 他の刺身と相性も良く最高のコラボレーションの丼でした。味噌汁もエビの出汁が十分出ていてとても美味しくいただくことが出来ました。
すべて完食です。ごちそうさまでした!
この後「鳴り石丼」の名前のルーツでもある「鳴り石の浜」へ向かいます。
5分足らずで「鳴り石の浜」に到着しました。この浜は絶景スポットや恋愛パワースポットとしても人気の高い場所だそうです。
海岸に降りて行きます。
途中こんな説明看板がありました。
この海岸の石の多くは輝石安山岩で、13万年以上前の古期大山の活動期に形成された火山岩だそうです。春から夏にかけては1m以下の穏やかな波ですが、秋から冬にかけては4mを超える波が押し寄せ大きな石も動くようで、その波の力で石同士がぶつかりあってカラコロと言う音が聞こえるそうです。大きな石は50cm以上もあり長年波にもまれ年々小さくなっていくそうです。
海岸に出ると、案内柱とベンチがありました。
波打際まで行ってみました。
波打際に近づくと波の動きの合すようにカラコロ… カラコロコロ…と独特の音が聞こえます。打ち寄せられる波で大小の石が当たり合い独特な心地良い音色を奏でていました。
海岸には石ころを積み上げて作るアート作品、ストーンバランシングが幾つも有りました。以前から鳴り石の浜では石積みをする人もいたそうですが、2018年にまちづくり団体の「鳴り石の浜プロジェクト」の呼びかけで、「鳴り石の浜バランシングコンテスト」が行なわれ、この浜のストーンバランシングが全国的にも知られるようになったようです。「初級編」「中級編」「上級編」とモデルを写真付きで紹介されていました。
沢山のストーンバランシングが並んでいます。
なかなかの作品です。
今迄気になっていた鳴り石の浜を堪能できたので帰路に就く事にします。
来る途中、国道9導線を走行中に「青山剛昌ふるさと館」という案内板が有ったので立ち寄ってみる事にしました。
この施設は「道の駅 大栄」に隣接していて2007年開館したそうです。地元出身で「名探偵コナン」の原作者としても有名な青山剛昌先生のマンガ、アニメミュージアムで、「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」(2018年版)の一つにも選定されているようです。海外から訪れる方も多いのか英語や韓国語、中国語などの説明文もありました。
コナン通りです。この通りをコナンの家、米花商店街、JR由良駅方向へ少し進むと…
眠りの小五郎とコナンがいました。横に座ってみたかったのですが、大人げないと諦めました…
ちなみに、JR山陰本線では「まんが王国とっとり」の建国を記念し、2012年(平成24年)から鳥取駅~米子駅間に「名探偵コナン列車」が運行されていて、車両にはコナンなど主要キャラクターのイラストがデザインされています。また2013年(平成25年)からはJR由良駅に「コナン駅」という愛称が付けられたそうです。
「青山剛昌ふるさと館」には名探偵コナンキャラクターのブロンズ像が幾つかありますが、北栄町内にはJRコナン駅や大栄小学校など色々な場所に多数設置されているようです。
屋外には阿笠博士の愛車フォルクスワーゲン、通称ビートルも置いてあり、何と車内には阿笠博士も乗っていました。
ミュージアムの横にはコナンと怪盗キッドの像があり、館内にはコナン探偵社や展示室、グッズを販売する売店などがありました。
「青山剛昌ふるさと館」をしっかりと楽しんだので、再び国道9号線を走り、北条ICから自専道の「北条湯原道路」(国道313号線)に入ります。10km程走行し終点の倉吉西ICで一般道に降り、県道34号線との共用区間を通り国道313号線を南下して行きます。
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンも松江市に赴任する時に犬挟峠(旧道)を人力車で越えたそうです。犬挟峠は犬も挟まると言われるほど道幅も狭く急カーブが続き、特に冬は積雪も多く通行し難い峠の一つでしたが、1997年(平成9年)に犬挟TNを含む犬挟峠道路が開通しとても走り易くなりました。
数年前に蒜山自転車道を走りに来た際、麓の関金まで下り、そこから上った事がありましたが、延々と続く坂道が大変だった記憶が蘇りました。しかし今回はバイクなので難なく登り切りました。
彼岸花の場所は中国道落合ICの北付近、旭川の東側と友人から聞いていたので、国道313号線から古見駅方面に右折し旭川を堤防沿いに探しながら走行します。途中に看板なども無く、あの派手で真っ赤な彼岸花も見えません… まだ時期的に早いのかなと心配しながら走っていると、彼岸花のイラストが描かれた川東公園の案内板が目に入りました。
彼岸花が咲き誇ると言う「川東公園」(真庭市古見)に到着しました。
駐車場には5台ほどの車が駐車されていました。私たちもバイクを置いて向かいます。
堤防の上には遊歩道が整備されていて「旭川・りんぐるライン」「川東彼岸花群生地」などの案内板がありました。
遊歩道を北に進みます。
少し法面を下り彼岸花を撮影しました。花は5~6分咲き程で、あと数日で一面が真っ赤に染まるのではないでしょうか…
毎年撮影に来られているという方と話をしていると、色々と情報を伺うことが出来ました。何とここの彼岸花は自然に生えたものだそうです。
まるで赤い絨毯を敷き詰めたような見事な彼岸花の群生です。
大きな木の周りや、その奥一面に彼岸花が広がっています。
私はこれだけ大規模に群生している彼岸花を見るのは初めてです。
自生している彼岸花で、これだけ密集しているのは珍しいそうで、この公園にある大きな榎や柳などは樹齢は解らないほど古い木々だそうです。
河川敷まで降りてみました。
規模的には思っていた程では無かったものの、とても見ごたえのあるものでした。しっかりと彼岸花を堪能したので帰路に就くことにします。
途中、バイクの聖地と言われている「道の駅 かもがわ円城」で最後の休憩です。しっかりとタバコ休憩をした後、国道429号線を走り友人とは吉備新線(県道72号線)との交差点で別れそれぞれ自宅に向かいました。
帰宅したのは17時過ぎ、今日の走行距離は370km弱でした。一日曇り空、暑くも無く寒くも無く、まさにツーリング日和でした。朝4時に目覚め、6時過ぎには自宅を出たので今回は少しお疲れモード、と言うより心地よい疲労感ですが… 明日は勤務なので白いかの刺身を肴にビールを飲んで早く休むことにします。