雄町の冷泉と天神そば

職場の友人と話をしていて、岡山県民を対象に県内旅行を割引く「おかやま旅応援割」が実施されているそうで、宿泊費が5,000円割引かれたり、おかやま旅応援割に登録されている観光施設や土産物店、飲食店などで使用できる2,000円の観光クーポン券もいただけるようです。それだけお得なら地元のホテルに宿泊してみてもいいかなと思いポタリングがてらミニベロM300で出かけてみる事にしました。

 

西側緑道公園を走ります。久しぶりにM300でポタリングです。

 

今夜宿泊する岡山ワシントンホテルプラザ(岡山市北区本町)に到着しました。

 

入口に自転車を置きチェックインを済ませます。一泊二食付で10,800円から5,000円割引かれ支払金額は5,800円で、さらに指定店での夕食券5,000円と観光クーポン券2,000円もいただきました。ホテルに一泊し食事をして、お土産付で5,800円とは超お得ではありませんか!

 

チェックインを済ませ、M300を置きに岡山駅東口駐輪場に向かいます。ホテルの前にも駐輪場がありますが一晩屋外に置いておくのが嫌なので、少し離れますが屋内に置く事の出来る駐輪場にしました。

 

岡山駅東口地下自転車等駐輪場に到着しました。

 

スロープを下り駐輪場に入ります。係の方に伺うと、ミニベロなどの小径車は専用の駐輪スペースがあるそうで、案内してくださいました。

 

M300を置きホテルへ戻ります。路面電車岡山駅前です。岡山市内には岡山駅前~東山の東山線と、岡山駅前清輝橋清輝橋線の二路線に路面電車が走っています。18時に予約しているので、17時45分に友人とロビーで待合せ食事に出かけます。

 

友人が予約してくれている「和風居酒屋 あかり」(岡山市北区野田屋町)です。入口で入り方に少し戸惑いましたが、中に入ると小綺麗で女子受けしそうな雰囲気です。

 

入口で靴を脱ぎ、ちょっと高級感を感じる店内の通路をとおり、掘りごたつ席の個室に案内されました。店内は和をモチーフにした落ち着いた雰囲気を感じます。日曜日なのに個室はほぼ満室状態で客も多いようでした。

 

奥にはカウンター席もあるようです。

 

私たちが案内された個室からは綺麗な花を眺めながら食事を楽しめます。個室なので周りに気兼ねなく話も出来そうです。

 

飲み放題付で5,500円だそうです。プレミアムモルツもあるので最初は生で乾杯します。

 

先付はサワラの真子……

 

造りは地元下津井のタコとシマアジ……

 

生を二杯いただき、瓶ビールをいただいてみる事にしました。

 

煮物はサワラの煮付け……

 

角ハイ濃い目をいただきます。

 

サワラの西京焼きです。岡山県はサワラの消費量が日本一の地域で、祭り寿司の具材にも使用されるなど、岡山の郷土料理に欠かせない食材です。

 

屋内は禁煙で、外の駐車場が喫煙場所だそうです。タバコを吸っていると色々な路面電車が通過していきます。

 

タバコをしっかりと吸って部屋に戻ります。しばらくすると若鮎の揚げ物が出てきました。

 

若鮎には日本酒が合いそうなので、地酒の「極聖」(岡山市中区西川原)、「御前酒」(真庭市勝山町)、「大典白菊 超辛」(高梁市成羽町)と順番に三種類を飲み比べてみました。

 

鴨ロースは旨みを上手く閉じ込めたしっとりとした味わいで、ついつい日本酒も進んでしまいます。

 

日本酒の次は焼酎の濃いめをいただきます。

 

締めは出汁汁におにぎりが入たものが出て来ました。

 

おにぎりを砕き、お茶漬けのようにしていただくそうです。出汁もとてもいい感じで、美味しくいただく事が出来ました。

 

デザートは抹茶プリンです。

 

外で飲酒するのは3年振り位ではないでしょうか、友人と色々と話をしながら飲んでいると、あっと言う間に飲み放題の時間が来たようで、ラストオーダーはトマトサワーをオーダーしました。

ここ「和風居酒屋 あかり」は手軽に岡山の郷土料理を味わえるコース料理があったり、居酒屋なのに味付けも下手な割烹よりも上品な味わいで雰囲気も良いので、また機会を作って妻と一緒に食べに来てみたいと思います。 久しぶりにしっかりと美味しい郷土料理をいただき、しっかりと酒も楽しむ事が出来たので大満足! ホテルに向かいます。

 

横断歩道を渡ります。「和風居酒屋 あかり」と「岡山ワシントンホテルプラザ」とは桃太郎大通りを隔てた斜め向かいになります。

 

ホテルの部屋に入るとバタンキューでした……

朝10時にロビーで友人と待ち合わせなので朝食を済ませた後、駐輪場へM300を取りに行きます。

 

駐輪場の料金は一泊で150円でした。ホテルの前にも駐輪場があり、2時間までは無料なのでそこにM300を置きロビーで友人を待ちます。

 

10時前、友人がチェックアウト、ホテル近くに友人が置いていた自転車を取り出しました。この駐輪場は一泊100円だったそうです。

 

桃太郎大通りを「チャギントン電車」が走って来ました。岡山の路面電車は種類が豊富で、走っているのを見るだけでも楽しくなります。

 

これから全国名水百選にも選ばれている「雄町の冷泉」に向かいます。市内中心部には自転車道が広範囲に整備されていて岡山は自転車に優しい街の一つだと思います。干拓と言う歴史を経て平地が多い事もあり、政令指定都市20都市の中でも通勤、通学時の交通手段での自転車の分担率は全国で3番目に高いそうです。また普段使いでも岡山市中心部にはコミュニティサイクル「ももちゃり」も用意されていて、ちょっとした移動にはとても重宝します。

 

旭川に出て来ました。岡山城と後楽園を結ぶ月見橋をバックに撮影です。木陰では尺八の練習をされているようで、いい音色が聞こえています。

 

途中友人がマルナカに寄りたいと言うので立寄りました。買い物の間私はタバコ休憩です。

 

マルナカから数分で「おまちアクアガーデン」(岡山市中区雄町)に到着しました。

 

水汲み場では数人の方が湧水を汲まれていました。

 

水汲み場が空くまで園内を周ってみます。水琴窟や水車など水に纏わる施設が設置されています。

水が溜まると鉄琴が鳴るようですが、今日は水が流れていませんでした。

 

中央は芝生広場になっています。

 

フランスの物理学者ベルナール・ジトン博士が考案されたと言う、実験器具を連想させるガラス管が組み合った水時計です。水圧とサイフォンの原理を使っているそうで、今の時間は10時58分です。

 

11時になると左側の“分”の部分に溜まっていた水が一気に流れ落ち、新たに時が刻まれ始めました。ガラス管を動いていく液体を見ているだけでも面白く、ついつい見入ってしまって時を忘れてしまいそうでした。

 

水汲み場が空いたので持ってきたペットボトルに湧水を汲む事にします。ここの湧水は無料でいただけるようです。

 

こんなお知らせがありましたが、水を汲まれていた方から「みなさん、そのまま飲まれていますよ」とご教示いただきました。持ってきた1Lのペットボトル2本に湧水を汲みます。

 

飲んでみるとポタリングで疲れた体を癒してくれるような美味しい水です。水を汲まれていた方たちと話をしていると、近くに「雄町の冷泉源泉」という場所があるそうで、そちらでも有料ですが湧水を汲む事も出来るそうです。

 

汲んだ湧水2Lをリュックに入れ、「雄町の冷泉源泉」へ向かってみる事にします。

 

スマホナビをセットし向かいますが、場所が分らず周囲を回っていると、細い路地がありその路地を入ると「雄町の冷泉源泉」(岡山市中区雄町)に到着する事が出来ました。道に迷わずに来ると250m程の距離だったようです。

 

地元の方がおられ「雄町の冷泉源泉」について色々とご教示いただきました。この冷泉は備前国一の名水とも言われ旭川の伏流水が湧出しているそうです。江戸時代の1686年(貞享3年)に池田綱政によって創られ、岡山藩池田家専用の御用水として茶会などに使用されていたようです。

先程の「おまちアクアガーデン」は1997年(平成9年)に岡山市が「雄町の冷泉」を保存し、市民に水に対する関心を高めてもらうために新たに掘削し整備された親水公園だったようです。住宅地の中にあるこの場所に車で訪れる事は少し難しいようで、気軽に「雄町の冷泉」をいただくのは「おまちアクアガーデン」の方が便利なようです。

 

1986年(昭和61年)に環境庁の「全国の名水百選」に指定された石碑がありました。石碑には「名水 雄町の冷泉」と記され「源泉」の表記はありませんでした。

 

当時は池田家の御用水であっため、番所と水奉行が置かれていたそうです。当然一般の庶民は「雄町の冷泉」を利用する事は出来ず、見る事も出来なかったようです。

 

詳しい由来伝説の案内板も設置されていました。明治18年明治天皇が中国地方御巡幸時に後楽園に駐輦された際にこの「雄町の冷水」を召し上がられたようです。

 

今の時期は水が湧き出ていませんが、6月25日頃から昏々と湧き出て来るそうです。昔は年中湧き出ていたそうですが、旭川や農業用水の管理が始まって以降、水位の上昇下降の変化が影響し時期により湧いたり止まったりするそうです。

 

井戸の周囲梁の外側には「備前蝶紋」……

 

井戸の周囲梁の内側には「揚羽蝶紋」がデザインされています。

 

井戸の天井にも「備前蝶紋」がデザインされています。池田家の家紋には「揚羽蝶紋」と「備前蝶紋」の二種類の蝶紋があるそうです。元々は池田恒興織田家から揚羽蝶の紋をいただいたのが始まりで、池田家草創期の中で池田輝政の時代から横を向いた「揚羽蝶紋」別名「泊蝶紋」を使用し、初代岡山藩主となる池田光政の頃からは丸い形の「備前蝶紋」別名「池田蝶」が使用されたようです。

 

協力金を入れ、明治天皇も飲まれたという湧水をいただいてみます。飲んでみると癖が無くすっきりとした味わいで、日本酒の仕込み水として使用されているのも頷けます。先程「おまちアクアガーデン」で組んだ湧水も美味しい水なのですが、この湧水と飲み比べてみると、ほんの少しだけ渋みのような雑味を感じたので汲替えました。

この後市街地まで戻り「天神そば」を食べに向かいます。

 

12時15分「天神そば」(岡山市北区神町)に到着しました。入口には8人程の方が日陰に隠れるように並んで待たれています。

 

客が出るとしばらくして扉が開きスタッフの方が声掛けされています。もう少しで私たちの順番が回って来ます。

 

やっと一番先頭になりました。次は私たちが呼ばれる番です。大変失礼な言い方ですが、ノスタルジック感一杯の外観で、本当にミッシェランガイドの掲載店かと思う程です。

 

待つ事15分、やっと声掛けされ店内に案内されました。店内も外観同様でノスタルジーを感じます。階段の壁にはメニューが貼ってあり、それぞれ番号が振ってありました。私は大盛り(920円)をオーダー、友人は大盛り卵入り(970円)をオーダーしましたが、常連客は番号でオーダーされているようです。カウンター越しに女性4人程の方が調理や接客などをされています。市外や県外などにはよくラーメンを食べに行きますが、なかなか地元のラーメンは食べる機会が無く、ずっと気になっていて今回初めて食べに来たんです。などとスタッフの方とカウンター越しに話をしながら出来上がるのを楽しみに待ちます。

 

出て来ました「天神そば 大盛り」です。モヤシ、蒲鉾、ネギ、それにチャーシューも沢山乗っています。まずはスープから…… 醤油ベースに仄かに感じる鶏ガラ出汁、庶民的な味の中に何か上品さを感じ、少し固めの細麺ともベストマッチで一体感のようなものを感じました。昔深夜映画の帰り屋台で食べたラーメンの味を思い出し、懐かしいような気持ちを覚えました。さすがミッシェランガイドに掲載されるだけ事はあると納得です。やはりミッシェランガイドの評価は正しかったようです。

お腹も大満足、友人はもう一泊するそうで「今夜はどこで食べようか」など迷っているようで、夜に備え一度ホテルの戻り休むそうです。私はこれから自宅に帰りますが、お腹がパンパンなので自転車を漕ぐのも少し大変かも……

 

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