ブッポウソウの巣立ち

ブッポウソウの巣立ちまでの三日間の様子を今回纏めてUPすることにしました。少し長くなるため、日にち毎に先頭ページにジャンプできるように設定しています。

 

 

 2023年7月24日(一日目) 

前回吉備中央町の横山様へブッポウソウの撮影に訪れた際、管理人の方から今年は7月24日か25日頃に巣立ちするのではないかという話を伺っていたので、今回夏休みを使った三連休で撮影に出掛けてみることにしました。

ブッポウソウの巣立ちは一回限りだそうで、一度巣立つと再び巣には戻らないようです。中には巣立ち時、途中で墜落する雛もいるそうで、墜落すると自力では飛び立つことができないようなので、雛にすれば一回限りの命がけの巣立ちです。前回そんな話も伺っていたので、今日をとても楽しみにしていました。

自宅を5時半過ぎに出発、途中災害復旧のための通行止区間があり、道の駅かもがわ円城へ迂回し7時前に横山様(加賀郡吉備中央町下土井)に到着しました。

 

駐車場は8割方埋まっているようで、撮影機材を持って横山様に向かいます。

横山様は腰痛にご利益があるそうなので、腰痛持ちの私は、まずは横山様にお参りです。

 

社務所内には「横山様ブッポウソウ観察状況」という一覧表が置かれていました。横山様の三羽の雛は無事に育っているようです。

横山様の雛はまだ巣立っていないようですが、近隣の観察場所の雛たちは既に巣立っているようです。

 

お参りを済ませ観察小屋に向かいます。

 

観察小屋の二階部分は満席だったので、一階席にセッティングしました。

 

みなさん早朝から来られているようで、素晴らしいカメラやレンズがずらりと並んでいます。

 

ファインダーを覗くと、愛くるしい雛が巣箱から顔を覗かせています。

私は今までブッポウソウの雛を見たことがなく、今回初めて見ることができ大感動です。

 

雛が巣箱から顔を出し、親鳥にしきりに餌の催促をしているようです。

 

気付くと桐の木の枝に一羽のブッポウソウが留まっていて、我が子の様子を伺っているようです。

しかし餌を運ぶ気配はなく、じっと巣立ちするのを待っているのでしょうか……

しばらくして気付くと飛び去っていました。

 

7時15分頃、気付くと杉の木の先に両親と思われる二羽のブッポウソウが留まっていて、雛の様子を伺っているようでしたが、二羽共すぐに飛び立ってしまいました。

 

5分ほどして二羽が桐の木の枝に戻ってきましたが、しばらくすると一羽が飛び立ちました。

 

飛び立った一羽が餌を捕まえ桐の木に戻ってきましたが、もう一羽は飛び去っていました。

 

餌を咥えたまま枝から飛び立ち……

 

可愛い我が子に餌を届けました。

 

雛が身を乗り出して餌を受け取っています。

私は雛がこれだけ顔を出し餌を受け取るシーンを見るのは初めてで、感動を覚えました。

 

餌を渡すとすぐに飛び去ります。

 

後を追いかけますが、なかなか追従することが難しいです。

しかしこの親鳥は子どもたちを守るために他の鳥と戦いをしたのか、かなり羽が傷んでいるようです。このような状態で遠く東南アジアのボルネオ島周辺まで帰ることができるのか少し心配です。


今度は違う雛でしょうか、巣箱から顔を出してきました。

モニターを見ていると巣箱の中で順番に三羽が入り変わっているようです。

 

僕もお腹が空いたよ~ と、アピールしているようです。

 

また餌を捕らえて桐の木の枝に戻ってきました。

 

咥えていた餌を上空に投げ出し……

 

パクリと咥え直しました。

雛が食べやすいように、細かくしているのでしょうか……

 

そして、再び巣箱にやってきて雛に餌を渡しますが、何故か今度は親鳥が巣箱に来ると雛が奥に引っ込んでしまいました。

 

親鳥は巣箱に頭を入れ雛に餌を渡し、再び飛び立ちました。

しばらくして、気が付くと違う親鳥が杉の木の先端に留まり、様子を伺っているようです。

 

杉の木のから飛び立ち周辺を飛び回っています。

数十枚撮影しましたが、まともにピントが合ったのはこの一枚だけでした。

 

途中で餌を捕まえ桐の木の枝に戻ってきました。

 

雛が食べやすいように嚙み砕いているようです。

 

今回も咥えていた餌を上空に投げ出し……

 

パクリ!

しかし、この餌は自分で食べてしまいました。やはり親鳥も自分の食事も大切です。

 

巣箱の入口に足を掛け、身を乗り出し今にも巣立ちしそうな素振りを見せますが、なかなか巣立ちしそうにありません。

この場所は昼からは逆光になるため、11時過ぎ頃から少しずつ引き上げられる方がおられたり、新たに来られる方もおられるようですが、私はもう少し粘ってみることにしました。

よく撮影に来られている方々の話を伺っていると、まだ嘴が黄色すぎるとか、足の掛かりが浅すぎるとか、この状態では今日は巣立ちはしないだろうと色んな情報を伺うことができ、とても勉強になりました。

結局私は14時前頃あまりの暑さに辛抱しきれないことや、みなさんの情報を参考に今日は巣立ちはしないと判断し、明日も訪れる予定にしていることもあり今日は引き上げることにしました。

観察小屋は十人足らずの方が残られているようですが、みなさん夕方まで粘られるそうで、撮影への熱心さや気力には只々感心するばかりです。

 

 

 

 

 2023年7月25日(二日目) 

今朝は出発が少し遅れて6時過ぎに自宅を出発、7時半前に横山様に到着しました。

 

駐車場は昨日程の車はないようですが5割方は埋まっているようで、半数以上が県外プレートの車でした。

 

社務所内のモニターを見ると、昨日は巣立ちしなかったようで、狭い巣箱の中で三羽の雛がゴソゴソ動いていました。

 

お参りを済ませ、観察小屋に向かいます。

 

今日も二階部分は満席だったので、一階席にセッティングしました。

 

朝日を浴びる雛はとても綺麗で愛くるしい。

 

親鳥が餌を運んできましたが、撮影タイミングを逃してしまいました。

餌渡しをするとすぐに飛び立ちます。

 

親鳥を追いかけます。

 

追いかけますが、結局ピントが合ったのはこの二枚だけでした。

 

上空を飛び回り、餌を捕まえ桐の木の枝に留まります。

 

その餌を持って巣箱にやってきて、餌渡しをするとすぐに飛び立ちました。

 

朝日を浴びてとても綺麗です。

 

なかなか飛んでいるブッポウソウをファインダーに捉え続けることが難しく、ピントが合った写真の数は限られてしまいます。

 

餌を運ぶ気配はなく、巣立ちするのを待っているのか、桐の木の枝に留まり巣箱の様子を伺っているようです。

 

雛は巣箱から顔を出し、しきりに餌が欲しいとアピールしています。

 

しばらくして気付くと杉の木の先端に留まっていましたが、撮影後飛び去ってしまいました。

 

一羽の親鳥が餌を咥えて巣箱にやってきました。

 

餌渡しの瞬間です。

 

しっかりと餌を渡しています。

 

親鳥が巣箱から離れしばらくすると、別の雛が顔を覗かせます。

 

雛が入れ替わり、餌が欲しいと猛アピールです。

 

桐の木の枝に留まり巣箱の様子を伺っているようです。

 

時折「ゲェ ゲェ ゲェ」と鳴き声をあげています。

 

三羽の雛が入れ替わりながら巣箱から顔を覗かせます。

雛が顔を覗かせてくれるのはいいのですが、入口を塞いでしまうため巣箱の中の温度はどんどん上昇してしまいます。今日も岡山市内では36℃位まで気温が上昇する予報でが、この付近は高原地域なので市内より2℃ほど低いそうです。

この施設の管理者の方の話によると、四羽いた道の駅かもがわ円城の巣箱の雛は、巣箱内の温度が上昇しすぎて残念なことに四羽とも死亡したようで、シーズン終了後に巣箱の場所や向きなどを再検討されるそうです。

 

親鳥に餌が欲しいと猛アピールです。

 

親鳥が餌を運んできました。

 

親鳥が餌を持って近付くと、雛の目の瞬膜が閉じることもあるそうです。いままで私は瞬膜の閉じたものはNGだと思っていましたが、ここの施設管理者の方から瞬膜の閉じた写真は貴重ですよ教示いただいたので今回はUPすることにしました。

 

餌を渡すとすぐに親鳥は飛び立ちます。

 

ブッポウソウは飛ぶ姿がとても綺麗です。

 

巣箱近くを親鳥が飛んでいます。

 

雛に与える餌を探しているのでしょうか。

 

親鳥が餌を捕まえ運んできました。

 

別の雛が顔を覗かせアピールしています。

 

親鳥が餌を咥えて飛んできました。

 

巣箱にやってきました。

 

巣箱に留まり餌を渡していますが、雛の顔が見えないのが残念です。

 

餌を渡し巣箱から離れます。

 

後を追いかけます。

 

そのままどこかに飛び去っていきました。

 

12時半過ぎ、雛が巣箱に足を掛けて周囲の様子を伺っています。

 

周囲の様子を伺い……

 

巣立ち!

 

かと思いましたが、まだ巣立たなかったようです。

 

巣箱の入口に足を掛け身を乗り出し今にも巣立ちしそうな素振りを何度も見せますが、巣立ちしそうにありません。

しかし……

何とバッテリー残量が残り僅かです。

結局私は13時前、あまりの暑さに辛抱しきれないことや、今の状況では今日は巣立ちはしないと判断し、引き上げることにしました。

観察小屋は数人の方が残られているようですが、みなさん夕方まで粘られるそうです。私は明日また出直すことにします。

 

 

 

 

 2023年7月26日(三日目) 

今日こそはブッポウソウの巣立ちを撮影すると決意を新たに自宅を5時半に出発、6時45分頃に横山様に到着しました。少し早いだけで車が少なく、思いの外早く到着しました。

 

少し高い場所は霧がかかっていたので心配しましたが、この場所は大丈夫のようです。

 

早朝にも関わらず駐車場の車は7割程度でした。その殆どが県外プレートで、遠くは気仙沼や八王子などのプレートもあり、遠路はるばる撮影に来られているようです。

 

社務所に設置されているノートを見ると昨日17時25分に一羽が巣立ったようで、モニターを見ると二羽しか残っていていませんでした。

 

横山様にお参りし、今日は長期戦を覚悟し観察小屋に向かいます。

 

観察小屋から見た巣箱周辺の様子です。

 

今回も二階席は満席だったので一階席にセッティングしました。

 

巣箱から雛が顔を覗かせています。

 

身を乗り出し餌が欲しいとアピールしているようです。

 

桐の木の枝には親鳥が留まって雛の様子を伺っていました。

この後飛び立ち……

 

今回は餌を咥えずそのまま巣箱にやってきました。

 

顔を出していた雛は巣箱の中に引っ込んでしまったようです。

 

巣箱を覗き、雛に巣立ちを促しているのでしょうか。

 

この後飛び立ちました。

 

後を追いますが、なかなかピントが合わず、やっとピントの合った一枚です。

この後姿が見えなくなりました。

 

8時47分頃、もう一羽の親鳥が餌を捕まえ巣箱にやってきました。


巣箱に頭を入れ餌を与えているようです。

 

あれ……

餌を渡していない……

 

そのまま桐の木に戻り留まりました。

雛に餌を見せ、巣立ちを促しているのかも知れません。

 

9時5分頃、餌を咥えて巣箱に戻ってきました。

 

巣箱に留まりますが、雛の姿は見えていません。

 

頭を巣箱に入れ餌を与えているようです。

 

餌を与え巣箱から飛び立ちます。

 

後を追いかけます。

 

今回はしっかりと追従することができ、綺麗なブッポウソウを楽しむことができました。

しかしこの後親鳥は全く姿を見せなくなりました。

 

雛は入れ代わり立ち代わり巣箱から顔を出しています。

 

可愛い雛の様子をご覧ください。

 

しっかりと可愛い雛を楽しむことができました。

 

9時50分頃、桐の木の枝に留まるブッポウソウを見つけました。

 

雛に早く飛んでおいでというように、巣箱に向い鳴いています。

しばらく留まっていましたが、気付くと飛び去っていました。

 

10時17分頃、もう一羽の親鳥が桐の木にやってきて、しばらく留まっていましたが、気付くと飛び去っていました。

 

13時57分頃、また桐の木にブッポウソウがやってきて、雛に早く出ておいでと呼びかけるように鳴いています。

 

雛は巣箱から顔を出し、しきりに餌が欲しいと鳴いているようです。

 

巣箱の入口に足を掛け、今にも飛び出しそうですが……

 

身を乗り出し巣立ちしそうな素振りを見せますが、なかなか巣立ちしそうにありません。

14時25分頃、強い日差しで観察小屋の天井が焼け上から暑さが襲ってきます。たまに入ってくる風も熱風状態で、社務所陰の涼しい場所でモクモクタイムにします。

駐車場にダンプカーがやってきて積んできた草の付いた土を降ろしていると、リアゲートに引っかかって悪戦苦闘している様子をボ~と眺めていると、車を前後させながらバァ~ン バァ~ンとリアゲートハッチが何数か開閉する大きな音を響かせ、無事に荷降ろしを終えました。

モクモクタイムを終え観察小屋に戻ると……

何と、リアゲートハッチの大きな音に驚き、14時30分に一羽が巣立ってしまったそうです。

残念なことに巣立ちの瞬間を見逃してしまいましたが、気を取り直して最後の一羽に期待を掛けます。

 

一羽残った雛は巣箱から顔を覗かせて、周囲の様子を伺っているようです。

 

親鳥を呼ぶように、しきりに鳴いているようです。

 

15時37分頃、親鳥が餌を咥えて巣箱にやってきました。

何故か親鳥が巣箱近くまで来ると、雛は奥に入ってしまいます。

 

親鳥は雛に餌は与えず、そのまま巣箱を離れました。

 

親鳥を追いかけます。

 

親鳥を追いかけていると……

「落ちた~」という声が聞こえました。

親鳥が飛び立った後、雛も巣立ちしようと巣箱から飛び出したようですが、すぐに墜落してしまったようです。

 

今回来られていたブッポウソウ吉備中央町会副会長が、墜落した雛を保護されるというので同行させていただきまいた。

 

巣箱のすぐ近くの畦で保護されたブッポウソウの雛です。

野鳥は人間の匂いにとても敏感だといわれるためか、匂いが移らないようにしっかりと手袋をされています。

 

その雛を観察小屋近くの杉林まで連れていき放鳥されるそうです。

 

杉林の中の枝に留まらせようとします。

 

手を離すとすぐに雛は親鳥のように滑空し始めました。

 

勢いがつくと元気に翼を羽ばたかせます。

 

しかし、なかなか上昇していきません……

 

草の陰になり見失いましたが、その後上手に上昇できたようで、上空で心配して鳴いていた親鳥と一緒に飛んでいてしまいました。

私は今迄ブッポウソウの雛を間近で見たことがなく、今回はブッポウソウの雛の巣立ち、そして墜落という貴重な一場面を見ることができ、今迄の暑さも吹き飛ぶような大感動を味わうことができました。

先に巣立った兄弟と共に三羽が無事赤道を超えボルネオ島周辺までの長旅を成し遂げ、来年またこの地に訪れてくれることを願うばかりです。

 

f:id:momotchi_blog:20200116124915p:plain

カテゴリーに戻る

ももっちブログのトップに戻る

ブログ一覧に戻る