九州鉄道記念館

青春18きっぷからの続きです。

岡山駅始発の朝一番の普通列車金光駅から乗車し、途中乗り換えながら8時間弱の列車旅で終着駅の門司港駅に降り立ちました。

 

駅舎前に出てみるとレトロな風貌の立派な駅舎が出迎えてくれました。

これから今回の目的「九州鉄道記念館」(北九州市門司区)に向かいます。

 

駅舎の横にあるトイレには「幸運の手水鉢」という手洗い場がありました。

直径が1mほどの大きな青銅製で、戦時中の金属供出を免れたことから「幸運の手水鉢」と呼ばれるようになったようです。

 

駅舎横のロータリー脇に機関車の動輪が展示されていましたが、説明文もなく型式などは分かりませんでした。

錆々状態で、少し可哀想です……

 

門司港レトロ観光線九州鉄道記念館駅です。

土日や大型連休などにこの駅から関門海峡めかり駅までの区間を観光トロッコ列車潮風号が走っています。

この路線は旧鹿児島線の貨物支線、門司港駅~外浜駅の廃線区間を利用しているそうです。

 

九州鉄道記念館に到着しました。

 

入口の受付で入場券を購入します。

私はJAF会員なので2割引きの240円でした。JAFには長年加入していますが会員証はこんな時しか使うことがありません。

 

受付の前には国産で初めて本格的に貨物用に設計された9600型蒸気機関車が展示されていました。

当時全国各地で使用され、最後まで活躍した長命な機関車だったようです。また、49616号機は機関車トーマスの仲間ヒロとして大井川鉄道千頭駅に展示され、子どもたちを楽しませてくれているようです。

ちなみに……

この機関車は59634の銘板が取り付けられています。

9600型なのですが……

9600型や8600型などは100号機までしか番号が付けられないので、9699号機の次は頭に1を付けた19600号機にしたそうです。

この順番でいけば、19600号機は9600型の101両目の機関車、この機関車は9600型の535両目ということになります。

※9600号機が1号機で、9601号機が2両目の9600型になります。

 

その奥には銀河鉄道999ヘッドマークが取り付けられたC59型蒸気機関車が展示されています。

機関車の前には記念撮影用の日付パネルも置かれていました。

 

銀河鉄道999の機関車はC62型蒸気機関車でしたが、細かいことはさて置いて……

この車両は寝台特急「あさかぜ」や特急「みずほ」などもけん引していたようです。

 

蒸気機関車は独特の力強さを感じます。

 

昔、蒸気機関車の写真撮影のため列車を乗り継いでよく出かけていたものです。

 

「ポ~~~ッ」という汽笛の音色は何故かしら郷愁を感じ、蒸気機関車の魅力のひとつだと思います。

 

機関室の様子です。

 

C59型蒸気機関車の後ろにはデッキ付きのEF10型直流電気機関車がいました。

 

この車両は関門トンネルの塩害対策として車体鋼板をステンレスに張り替えられていますが、1961年(昭和36年)に鹿児島本線の交流電化に伴い、関門トンネル用のこの機関車も門司駅構内の交流電化区間を走行可能な交直両用機関車にその役目を引き継いだそうです。

 

EF10型のような旧型車両はこのデッキが特徴的ですが、実はこのデッキは特に使用目的はなく、先輪の上部が空くので飾りに取り付けたと設計に携わっていた大先輩がその先輩から教えていただいたと昔伺ったことがあります。

ちなみに……

先ほどの蒸気機関車の前にもデッキのようなものがありますが理由は同じで、先輪の役割を簡単に言えば、左右に自由に動く先輪で左右に動かない動輪の向きをレールに沿わせカーブなどで車体を安定させるためのものです。

 

非貫通型で車両の前面が”く“の字型になった独特の形状を持つEF72型交流機関車です。

1961年(昭和35年鹿児島線の電化に伴い設計された機関車で、暖房用のボイラーを載せているため全長が長く中央に無動力の中間台車があるのが特徴のようです。

 

以前の訪れたことのある旧宮原《みやのはる》線を走っていた気動車です。

この路線は豊後森駅と肥後小国駅を結んでいましたが1984年(昭和59年)に廃線になってしまいました。

 

当時流線型が流行っていたようで、そのブームに乗って設計された半円形型の車両です。

この型式の車両は、旧国鉄から同和鉱業片上鉄道や水島臨海鉄道など各地の私鉄に譲渡されています。

同和鉱業片上鉄道は廃線になり「片鉄ロマン街道」としてサイクリングロードや遊歩道になっていますが、旧吉ヶ原駅跡地にある柵原ふれあい鉱山公園には動態保存で同型の車両が展示されています。

 

1958年(昭和33年)に登場した「こだま」型特急電車の発展型で、交直両方で使用することが可能な481系電車です。

九州では「にちりん」、「かもめ」、「有明」などの特急列車として使用されていたようです。

 

1967年(昭和42年)世界初の寝台電車特急「月光」と「みどり」としてデビューした581系です。

顔は鉄人を思わせるデザインで、今までの特急電車より一回り大柄で直線を生かした車体、クリームとブルーのツートンカラーに映える「JNR」の国鉄マーク……

寝台列車としては最速となる120km/hを誇り、夜は寝台特急、昼間は座席特急として使用できる便利な特急用車両であり、特急電車として初めて先頭車に貫通通路が付けられたそうです。

現在唯一の寝台特急電車285系サンライズ出雲、瀬戸」は581系のスタイルを受け継いでいるような気もします。

 

寝台特急「月光」として新大阪駅博多駅を結び、1972年(昭和47年)の新幹線岡山駅延伸後は岡山駅西鹿児島駅を結んでいましたが寝台車はA寝台がなくすべてB寝台だったように思います。

 

車内の様子です。地方転用改造された車内ですが座席は寝台用に伸ばされた状態でした。

車内に入りじっくりと見ることができると楽しみにしていましたが、残念ながらコロナの関係でどの車両にも立ち入ることができません……

 

14系寝台特急客車は1972年(昭和47年)に設計され、20系「さくら」「みずほ」などの置き換え用として運転を開始したブルートレインです。

この車両は東京駅と熊本駅大分駅寝台特急はやぶさ」、「富士」として2009年(平成21年)の廃止まで活躍した車両です。

 

車内の様子です。

やはりブルートレインは憧れです。

昔東京出張の際いつもは飛行機を使っていましたが、偶に寝台特急「瀬戸」や「あさかぜ」を使ったこともありました。友人たちは「態々時間をかけて列車で行かなくても……」と「いいな〜」という二パターンの反応がありました。

言わずと知れた後者は私と同じ鉄道ファンの友人でしたが……

 

本館に向かいます。

この建物は九州初の鉄道会社、旧九州鉄道会社の本社で、通称「赤レンガ」といわれるレンガ造りの立派な建物です。

 

本館前には実物のポイントが展示されていました。

 

館内に入ります。

この建物は2007年(平成19年)に近代化産業遺産に、2014年(平成26年)には国の登録有形文化財に登録されたそうで、入口には認定証が取付けられていました。

 

館内に入ると明治時代の客車が展示されていて、その前で駅弁を販売する様子が再現されています。

 

車内の座席は何と畳でした。

この座席での長時間乗車は少し苦痛かも……

 

奥には九州を舞台にしたHOゲージの鉄道大パノラマがありました。14時30分から走行ショーがあるようなので時間まで館内を色々と見て周ります。

先ずは二階の展示室に行ってみます。

 

二階から見た一階の展示室です。

館内は吹き抜けになっていました。

 

二階の展示室には九州を走っていた特急列車のヘッドマークが並んでいます。

最近の列車では殆ど見られなくなったヘッドマーク、やはり優等列車の象徴的な存在だったので少し寂しい気がします。

 

つばめコーナーには歴代の「つばめ」が紹介されています。

 

蒸気機関の銘板も並べられていました。

今では考えられないことですが、昔九州に蒸気機関の撮影に訪れた際、車両基地などに停車している機関車の銘板を、付近に着いていたススでロール和紙に転写したものでした。

今そんなことをしていたら大変です。

 

石炭の大きな塊が展示されていました。

 

マニアには堪らない、機関車の部品……

 

懐かしい硬券切符と改札パンチ……

 

鉄道に関するQ&A……

 

特急ソニックの座席に……

 

特急かもめのシート……

こんなシートなら長時間の乗車も苦になりませんが……

 

二階の窓からは門司港駅関門海峡大橋が見えていました。

 

そろそろ時間なので大パノラマの走行ショーを見に行きます。

 

到着すると、ちょうど始まったところでした。

九州新幹線」、「あそぼーい」、「SL人吉」、「ゆふいんの森」などなど、JR九州の誇る列車がジオラマの中を走り回ります。

 

ゆふいんの森」がやってきました。

約10分ほどで大パノラマの走行ショー終わりました。

運転手シュミレーターの予約時間までにはまだ時間があるので外に出てみることにします。

 

高い場所から見えた481系電車の運転席です。

座ってみたかった……

 

少し先にはミニ鉄道公園がありました。

この鉄道は単線や複線区間、本格的な信号などが備えられたミニ鉄道施設で、本物の列車のように九州の特急列車などの運転ができるようです。

 

787系つばめ号が通過して行きました。

 

こちらは72系ゆふいんの森号です。

子どもの運転で、家族が楽しそうに乗車されていました。

 

鉄道記念館入口に設置されている当時の門司駅(現在の門司港駅)の駅名標のレプリカです。

終着駅なので右には駅名はなく、次の駅は大里《だいり》(現在の門司駅)と記されているので当時小森江駅はなかったようです。

 

駅名標の前には九州鉄道会社の旧0哩標があった場所に「0哩標跡」の記念碑が設置されていました。

これは九州鉄道会社が1891年(明治24年)に門司駅を開業した際、九州鉄道 (現在の鹿児島線) の起点と定められた場所だそうです。

 

車両の前頭部が展示されていて、実際に運転席に座ることができるようなので行ってみます。 

 

沢山の方が並んで待たれていて、5分ほど待ってやっと順番が回ってきまいた。

EF30型の運転席です。(前の写真の一番右の機関車)

 

次に乗れたのは485系電車の運転席です。この車両の運転席は一段高くなっています。(前の写真の一番左の電車)

 

さすが特急列車です。速度計は160km/hまで刻まれていました。

DE76機関車にも座ろうと思いましたが、またしばらく並らんで待たなければなりません。

しかし……

そろそろ運転シュミレーターの予約時間なので今回はDE76機関車の運転席には座ることは諦めて戻ることにしました。

 

係員の方に予約票を渡し、運転席に向かいます。

 

811系電車の実機の運転台です。

さすがリアル!

運転する前からワクワク感が堪りません!

 

いよいよ乗務開始です。

運転は100円を入れてスタート、電車でGO!のリアル版です。

1時間20分ほどかけて、しっかりと九州鉄道記念館を楽しむことができました。

 

九州鉄道記念館を後にします。

この後少し時間もあるので港に行ってみることにします。

 

門司港レトロ観光線を渡ります。奥には九州鉄道記念館駅が見えています。

 

関門海峡めかり駅方面はトロッコ並木道という通りが並行しています。

 

ヨーロッパ伝統の木造建築工法で建設された洋館の「旧門司三井倶楽部」です。

この建物は1921年(大正10年)三井物産の宿泊、社交倶楽部として建設され重要文化財に指定されているそうです。

相対性理論を唱えた物理学者のアインシュタイも宿泊された施設だそうです。

 

門司港駅の駅前広場です。

1時間おきの毎時0時に15分程度噴水が出るそうですが、時間帯が合わず今回は残念ながら見ることはできません……

 

右側の建物は旧JR九州の本社ビルです。日本初の総合商社である三井物産の三代目門司支店として1936年(昭和11年)に建設されたそうで、戦後の財閥解体に伴い1953年(昭和28年)に当時の国鉄に売却され、門司鉄道管理局庁舎として使用された後、1987年(昭和62年)の国鉄民営化以降JR九州の第一庁舎として2001年(平成13年)まで使用されていたようです。

 

この付近は2017年(平成29年)に「日本遺産 関門ノスタルジック海峡 -時の停車場、近代化の記憶-」に認定されているようで、それぞれ説明板が設置されていました。

 

港に出てきました。

関門海峡大橋の先に下関側の火の山公園が見えています。

 

八角形の塔屋とレンガの外壁に石の帯の調和が印象的な旧大阪商船ビルです。

1917年(大正6年)に建設され、竣工当時は門司で一番高い建物だったようで最上階の八角形の塔屋は灯台の役割も果たしていたようです。

かつては国際的な港のターミナルとして日本と大陸などを結ぶ、国内有数の重要拠点だったそうです。

この周辺にはまだまだ見て歩きたい観光スポットが沢山あるようですが、そろそろ帰りの列車の出発時間なので門司港駅に向かいます。

 

門司港駅のコンコースです。

改札を抜けホームに向かいます。

 

九州北部地方で広く走っている近郊型電車の813系です。車両デザインは岡山市出身の水戸岡鋭治が手掛けられたそうで、近郊型電車のデザインを手掛けられたのはこの車両が初めてだったそうです。

 

乗車します。

 

15時41分門司港駅を発車し8分ほどで門司駅に到着しました。

連絡橋を渡り下関行き列車の発車する6番ホームに向かいます。

 

ホームでは数人の方々が並んで待たれています。

 

ホームの先には交直電源の切替えのための無通電区間デッドセクションがあるようです。

 

下関行き415系の列車が入線してきました。

関門トンネルを通過するため塩害対策にステンレス車体が採用されていて、交直両電源区間が走行可能なこの車両が使用されています。

 

乗車します。

15時51分門司駅を発車後しばらくするとドーンという音と共に走行中に突然列車の電源が落ち車内の電気が切れました。交直電源の切り替えをするためです。
しばらくして照明など電源が戻り、何もなかったかのように関門トンネルに入りました。

 

門司駅から6分ほどで下関駅の5番ホームに到着しました。

向かいの6番ホームに停車中の岩国行きに乗り換えます。

 

撮影を終え乗車します。

16時8分下関駅を発車しました。

 

16時54分宇部駅に到着しました。

1番ホームには宇部線新山口行き列車が停車しています。

 

16時55分宇部駅を発車し、17時19分新山口駅に到着しました。

発車時間は17時30分、停車時間は約11分あります。

早々に列車を降り外に出ます。

目的は言わずと知れたモクモクタイムです。

 

行きがけに立ち寄り場所は分かっているので2分ほどでバスターミナルの喫煙場所に着きました。

 

バスターミナルと新山口駅の1番ホームの間には山口号のイラストが描かれています。

 

モクモクタイムを終えホームに戻ります。

 

4番ホームに戻ってきました。

1番ホームには山口線気動車が停車しています。

 

新山口駅を17時30分に発車し、30分足らず走ると海岸線に出てきました。

沖に見えている島は、回天記念館のある大津島ではないかと思います。太平洋戦争中に開発され、人間が搭乗する魚雷型の特攻兵器「回天」の基地跡がある島として知られています。

 

19時34分岩国駅に到着しました。

次の広島行き列車は19時43分、乗り換え時間は15分ほどあるのでモクモクタイムに行ってきます。

 

が……

 

改札で駅員の方に近くの喫煙場所を伺うと、何と岩国駅周辺には喫煙できる場所がないそうです。

仕方がないので列車に戻ります。

 

駅のコンコースには岩国を代表する観光地の一つ「錦帯橋」の模型が展示されていました。

 

ホームに降ります。

 

乗車前に下関駅から乗車していた115系電車と広島駅まで乗車する227系電車を撮影しました。

 

乗車します。

 

20時39分広島駅に到着しました。

次に乗車する列車は一便遅らせて20時30発の糸崎駅行きです。

何故一便遅らせたかというと……

夕食に本場広島焼のお好み焼きを食べるためです。

 

一先ずはモクモクタイム……

 

モクモクタイムを終え事前に調べておいたお好み焼き店のある「ekie」へ向かいます。

 

しかし……

 

何とも予想外の大行列です。

もう一軒調べていた店にも行ってみましたが、ことらも大行列……

数席空いている店を見つけ入ってみましたが、焼き上がるまで20~30分かかるそうで、焼きあがってから食べていると最終列車となる次の列車に乗車することができません……

 

コンコースを歩いていると駅蕎麦店が目に入ったので立ち寄ってみると、21時で閉店だそうで、ここでもいただくことができませんでした。

仕方なくホームに戻ることにします。

 

ホームに戻ると既に沢山の方が並ばれていました。

しばらく並んで待っていると列車が入線してきましたが、五日市駅始発の列車はかなり混雑していました。

何とか座ることができましたが、この時間にこんなに混雑するとは思いもよりませんでした。

 

22時41分糸崎駅に到着しました。

 

1分の乗り継ぎで岡山行きに乗車します。

 

笠岡駅まではそこそこの乗車率でしたが、笠岡駅と過ぎると一車両に数人となってしまいました。

 

23時35分金光駅に到着しました。

 

下車し列車の発車を見送ります。

 

金光駅南口の改札を出ます。

朝6時11分の始発でこの駅を出発し、23時35分最終便での帰着です。

ここからバイクで自宅まで30分ほど、0時15分頃無事帰宅することができました。

 

今回友人から分けてもらった青春18きっぷです。

今日私が使用したことで、5回すべて使い切りました。

金光駅から門司港駅間片道6,090円、往復で12,180円ですが、青春18きっぷは5回分で12,050円、1回あたり2,410円になり、何と9,770もお得な計算になります。

2,410円で一日遊ばしていただくことができ大満足な一日でした。

また青春18きっぷを利用して、今度は東に行ってみようかな!

 

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