カリンは芳醇な香りがして、とても美味しそうに見え一見生で食べられそうですが、見た目とは裏腹に固く渋いためそのままではとても食べることは出来ません。のど飴などでよく耳にしますが、ビタミンCや食物繊維など豊富な成分を含み、美肌効果や疲労回復、整腸効果などもあるようです。産地は山形県や千葉県などが有名で、私が住んでいた香川県でも沢山栽培されていました。
9月下旬頃の我が家のカリンです。カリンは昔から、咳、たん、ノドにいいと言われ、喉の痛みなどを抑える成分が含まれていて、漢方などでも利用されているそうです。またインフルエンザウイルスを抑制する効果もあるようなので、これからの季節にはとても重宝しそうな果物です。
そんなカリンを12月始めに収穫し、先日職場に持っていくと調理の仕方が分からないという方が沢山おられ、はちみつ漬けやカリン酒、カリンシロップなどの作り方を説明しながら配りました。
今年のカリンは昨年深く剪定したこともあってか大豊作です。見た目は悪いですが有機栽培のオーガニック果樹です。と言いたいのですが、カリンはほとんど手が掛からず剪定さえ、しっかりして日がよく当たるようにすれば勝手に沢山の実を付ける、とても育てやすい植物なのです。
収穫時、少し緑の物もあったので新聞紙に包み追熟させていると、黄色味を帯び甘い香りが漂い始めました。我が家では毎年はちみつ漬けを作っていましたが、今年は用途が豊富なカリンシロップを作ってみることにしました。
カリンの表面は油が付着したようにベトベトしているので、お湯で汚れを落としながらしっかり洗い、皮をむかずに3~5mm幅のイチョウ切りにします。
鍋に切り分けたカリンをそのまま、皮、タネ、実など全て入れていきます。
全て切り終えて、全体が浸るぐらいの水を入れます。
1時間程コトコト煮込みます。
煮込んでいると灰汁が出てくるので取り除きます。
1時間ほど煮込んだ状態です。
煮込んだものをザルで濾します。計量してみると1,600ccありました。
砂糖を600g程加え、さらに灰汁を取りながら煮込んでいき、紅くなれば出来上がりです。
前回作った時にザルで濾しきれなかった小さな種の欠片などがあり、少し気になっていたので今回は目の細かい茶漉しで少しずつ濾しながら煮沸消毒したビンに移し替えます。
ビンに詰めて完成です。
Beaujolais Nouveau(ボジョレー ヌヴォー)ならぬOkayama Nouveau(岡山ヌヴォー)です。
ちなみに、ボジョレーはフランスブルゴーニュ地方の南にある地域のことで、「ヌーヴォー」はフランス語で「新しいもの」という意味だそうです。一般的にボジョレー ヌーヴォーは、ボジョレー地域で、その年に収穫されたブドウを醸造した新酒ワインを指し、解禁日がフランスの法律によって毎年11月の第3木曜日と決まっているため、日付変更線の関係で日本が世界で一番早く解禁日を向かえフランス本国より早く楽しむことが出来るようです。
早速飲んでみると、はちみつ漬けのまったりとした甘さとは異なり、酸味を強く感じるさっぱりとした味わいでした。これならウォッカやジン、湯割りや水割りなどでも美味しくいただけそうです。これを飲んでカラオケに行くと点数アップに繋がるかも!