先日友人から久しぶりにツーリングに行こうと声掛けがありツーリング計画を考えました。昨年3月に共用が開始された「木原道路」を走り、広島県呉市で「海自カレー」を食べ、以前傍を通ったにも関わらず寄り損ねていた「ハート島」の展望を楽しむコースです。コース立案後、友人たちに連絡すると二つ返事でOK、勤務調整しツーリング日を決定しました。
今日は天候にも恵まれ、朝の冷え込みもなく日中は少し暑いくらいで最高のツーリング日和になりそうです。
朝8時に倉敷のニトリ駐車場に集合後出発しました。国道2号線から玉島笠岡道路を走り、終点の浅口市鴨方町から県道284号線(東安倉鴨方線)で浅口市寄島町を目指します。
寄島町には岡山県に2ヶ所しかないロータリー交差点の一つが設置されています。ロータリー交差点はラウンドアバウト交差点とか環状交差点とも呼ばれ、信号機を使用せず車両は時計回りに通過する交差点です。この交差点は、信号待ちが無い事、通過車両の速度が抑制されるため安全性が向上される事などがメリットのようです。寄島町からは県道47号線(倉敷長浜笠岡線)を走り笠岡方面へ向かいます。
ロータリー交差点を通過後海岸線に出ました。海側には三つ子島こと三ツ山、三郎島、本州唯一のアッケシソウ自生地と言われる「寄島アッケシランド」のある寄島干拓地の堤防なども見えています。
寄島町から県道47号線で海岸線を走り笠岡市西大島新田の交差点に出てきました。この交差点では2025年全線開通予定の玉島笠岡自動車道と笠岡バイパスを繋ぐ高架橋の工事が行われていました。左折し笠岡バイパスに乗換えます。
笠岡バイパスを走り、途中菜花が見頃ではないかと思い「道の駅 笠岡ベイファーム」(笠岡市カブト南町)に立ち寄ってみました。
見事に満開です!
パロラマ撮影をしてみました。十字路の様に見えますが違います。ほぼ360°が見える写真です。
通常撮影です。しっかりと菜花を楽しめたので先に進みます。
笠岡バイパスから岡山県・広島県道3号線(井原福山港線)で国道2号線用之江《もちのえ》交差点へ出てきました。用之江交差点手前から井原方面へ向かう本線と分離した国道2号線までの100m程の区間は用之江支線というそうです。
福山市街地の国道2号線は何時もながらの渋滞です。その渋滞の福山市街地を抜け福山市瀬戸町から赤坂バイパス、松永道路へと乗継ぎました。
松永道路から尾道バイパスに切り替わる尾道市高須町は四国へ向かう「しまなみ海道」(西瀬戸自動車道)との分岐点にもなります。一番左車線を走ればしまなみ海道の西瀬戸尾道ICです。
高須町から尾道バイパスに変わりました。今迄の尾道バイパスの終点、福地ICまでやって来ると「⇦ 糸崎」と「⇧ 広島 三原」の案内板があります。ここから先が今回初めて走る「木原道路」になります。
片側2車線から絞り込まれ対面区間になるようです。
木原道路に入るとすぐに全長986mの「内畠トンネル」です。
新しいトンネルは内部はまだ白く、とても気持ちよく走行出来ます。
「内畠トンネル」を抜けると、またすぐに全長1,216mの「赤石トンネル」です。
「赤石トンネル」を抜けると瀬戸内海の展望が開けました。
木原道路が開通するまでの三原バイパスの終点付近が見えて来ました。右奥に上り線側の糸﨑IC流出ランプが見えています。このICはハーフICで下り線から糸﨑方面への流出や、一般道から岡山方面への上り線には流入出来ないようです。
木原道路を初めて走って感じたのは、福地IC付近が綺麗になった事とトンネルだけだった… という印象です。しかし今までの渋滞が不思議に思える程あっという間に通過してしまいました。
下り線への流入ランプが合流し、三原バイパスに入りました。
三原バイパスにある「道の駅 みはら明神の里」(三原市糸﨑)で休憩します。
海側の展望所にやって来ました。
展望所には映画「裸の島」と宿祢島《すくねじま》の説明板が設置されていました。説明板の先に浮かぶ小さな島が宿祢島です。
宿祢島の先には因島と生口島を繋ぐしまなみ海道の「生口橋」も望めました。タバコ休憩を終え三原バイパスに戻り国道2号線を西進します。
東広島市西条町の仁賀口交差点を右折し、上三永ICから東広島呉道路に乗換えます。
東広島呉道路は対面通行の自専道で、上三永ICから終点の阿賀IC間は約30kmです。
馬木ICを過ぎると山陽新幹線の上を跨ぎます。
上三永ICから20分程で終点の阿賀ICに到着しました。
以前この道路を通った際には国道185号線と平面交差でしたが、新しく呉市街地中心部に向かうランプが立体交差で整備されたようです。国道185号線に合流し休山トンネルを抜けますが、このトンネルも以前は対面2車線区間で大渋滞していた場所でした。今は片側2車線に拡幅されていて渋滞も無くスムーズに通過する事が出来ました。
11時30分目的地の「港町珈琲店」(呉市昭和町)に到着しました。12時に予約しているので時間まで「アレイからすこじま」を散策します。
「アレイからすこじま」とは、大正時代まで呉浦にあった周囲30~40m程の烏小島という小島の名前と、小道を表す英語のALLEY《アレイ》から付けられ、公園として整備されたそうです。烏小島は大正時代に海軍施設拡張工事のため埋立てられ現在では陸地の一部となっているようです。
「アレイからすこじま」には椿の花が咲いていました。
間近で見る潜水艦は迫力満点です。
この公園は国内で唯一、間近に潜水艦を見ることができる場所で、海自の潜水艦や護衛艦の雄姿を楽しむ事が出来ます。
「アレイからすこじま」についての説明板が設置されています。その脇には2016年(平成28年)に日本国内の鎮守府関連施設が「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴 〜日本近代化の躍動を体感できるまち〜」として日本遺産に認定された碑も設置されていました。
公園内には大砲のレプリカも設置されています。
公園内のアレイを散策しながら進みます。
少し角度の違う場所から撮影しました。
横から見る潜水艦、後方には旭日旗がはためいています。
旧海軍で魚雷積載などに使用されていたクレーンも当時のまま残されていました。
今でも十分使用出来そうなくらい、いい保存状態です。
クレーンの奥に潜水艦が望めます。
そろそろ予約時間も近付いてきたので「アレイからすこじま」と道路を挟んだ東側に残るレンガの倉庫群に沿って戻ります。
倉庫の扉が開いていたので内部を撮影させていただきました。保管されているものは当然当時の物とは異なりますが造りは当時様子を色濃く残していました。
この倉庫群は1897 年(明治30年)頃に呉海軍工廠《こうしょう》の前身の呉海軍造兵廠当時に建てられたそうです。空襲を受けその数も減り、建設当時よりも奥行きが短くなったりはしていますが現在でも民間会社などの倉庫として現役で利用されていいるそうです。
この倉庫は閉まっていましたが一階部はレストランで利用されていたようです。
11時55分、倉庫の並びにある「港町珈琲店」に戻ってきました。コンビニの2階なので横の階段に向かいます。
階段を上ります。
2階まで上がって来ました。
予約していたテラス席に案内されます。
テラスにはパラソルが設置されていました。
テラス席からの展望です。道路を挟んで「アレイからすこじま」その先の埠頭には潜水艦や護衛艦などが望めます。
スタッフの方がランチマットを持ってオーダーを取りに来られました。三人とも「潜水艦くろしお 広島風柔らか牛筋カレーランチ」(1,080円)をオーダー! ランチマットには呉海自カレーや潜水艦くろしおについての説明が書かれていました。
ランチにはサラダ、ドリンクバーが付いていて、更にピザは食べ放題です。
サラダはシャキシャキで美味しい!
5分程で「潜水艦くろしお 牛筋カレー」が出て来ました。カレーには「海自カレー 潜水艦くろしお」の旭日旗がはためいています。各艦艇では旧海軍当時から毎週金曜日の昼食にカレーが食べられているそうです。そうえいば今日は金曜日… 隊員のみなさんと同じように昼食にカレーをいただきま~す!
カレーは濃厚な旨みで少し甘め、後からピリ辛を感じる三位一体の絶妙なバランス。牛スジも柔らかく、呉でしか楽しむ事の出来ない風景を眺めながら美味しい海自カレーをいただきました。
ちなみに、海自カレーは「艦船◯◯カレー」「潜水艦◯◯カレー」と、各艦艇で毎週金曜日に食べられている特徴あるカレーが曜日に関係なく呉市内22ヶ所の店舗でいただく事が出来るそうです。
ピザ2枚目…
ピザ3枚目… 美味しい海自カレーとピザをしっかりといただきお腹も大満足です。ごちそうさまでした。
食後店内に撮影用に貸出し帽子があるのに気付きました。スタッスの方に声掛けし帽子をお借りし友人に撮影してもらいました。帰宅後その写真を見た妻は「なかなか似合っていてカッコイイね」とお褒めの言葉をいただきました。単なるお世辞でしょうが…
レジカウンターの横には各艦艇自慢のレトルトカレー(648円)も販売されていました。友人は土産にと沢山購入していました。この後友人が行ったことが無いという「音戸大橋」へ少し足を延ばし向かう事にしました。
出発前に「アレイからすこじま」の駐輪場脇で海自艦艇をバックに撮影しました。
市道から旧道の487号線に乗換え10分足らず走ると目の前に音戸大橋が見えて来ました。
音戸大橋展望台に立寄ります。
展望台から見た音戸大橋です。眼下には沢山のツツジが植えられ、対岸の倉橋島には橋梁の右に二重ループも見えています。1961年(昭和36年)に開通した音戸大橋は、大型船舶も通過する海峡のため高い桁下が必要で、航路限界 23.5m、また倉橋島側の用地が狭いため二重ループの高架橋、本土側は地形を活かした変則二重ループで設計されたそうです。
音戸大橋に並行して2013年(平成25年)に音戸大橋の渋滞緩和のために架けられた第二音戸大橋が見えています。
駐車場で折り返しループ橋を上ります。
音戸大橋を渡ります。この後県道66号線(呉環状線)で阿賀交差点に向かいます。
阿賀交差点に出てきました。交差点の上には呉市街地中心部へ向かう東広島呉道路のランプがあります。私たちは阿賀交差点を右折し国道185号線でハート島を目指します。
呉市街地を抜けしばらく走ると「安芸灘とびしま街道オレンジライン」に向かう県道74号線(下蒲刈川尻線)と分岐します。
国道185号線で海岸沿いを走ります。沖には牡蠣筏が沢山浮かんでいます。
音戸大橋から1時間足らず、ハート島が見える大芝島へ渡る大芝大橋が見えて来ました。
国道185線を右折大芝大橋に向かいます。
この道路は農免道のようです。
1997年(平成9年)に農道小松原大芝線として広島県の農林補助事業で開通、全長470m、航路限界18m、車幅4m、PC斜張橋《プレストレスト・コンクリート斜張橋》(410m)と中空床版橋(60m)を組み合わせた渡海農道橋です。
大芝島の細い道をしばらく進むと右手にハート島こと小芝島が見えて来ました。
「ハート島展望台」(東広島市安芸津町)に到着です。道路脇に2~3台駐車出来るスペースがあり、バイクを置いて少し高台に上がってみました。
遠方にとびしま海道の広島県と愛媛県境に架かる岡島大橋が望めました。G3Xで600mmまでズームアップし撮影しています。
ハートと言われればハートの形です。さらに潮が引くと先端が尖りなお一層ハートに見えるのかも知れません。右奥には安芸灘大橋も微かに見えてはいますが、600mmで見ても霞んでいるためはっきりとは写りませんでした。霞んでいなければ素晴らしい展望が楽しめたのではないかと思います。
ハート島の展望をしっかりと楽しんだので帰路に就きます。大芝大橋を渡り国道185号線で竹原を目指します。
大芝島から30分程で「道の駅 たけはら」(竹原市本町)に到着しました。喉を潤し、しっかりとタバコを吸って出発します。
竹原から県道75号線(三原竹原線)を走り三原市沼田で国道2号線に乗換えました。少し進み三原バイパスに乗換えます。
三原バイパスの終点糸﨑ICです。前方には因島大橋が見えていました。
福地ICで木原道路から尾道バイパスへ変わります。
尾道バイパスから松永道路を走り福山西ICから山陽道へ乗換えます。
山陽道の道口PA(倉敷市玉島道口)で最後の休憩です。高速道路走行中、追越などでは私の250ccのスクーターは友人たちの1000ccクラスのバイクに付いて行く事が厳しいですが遅れながら何とか追いかけて走りました。
休憩後出発します。私は次の玉島ICで降り国道2号線を走るため、玉島ICで別れそれぞれ自宅に向かいました。
今日は最高のツーリング日和のなか、満開の菜花や日本遺産の「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴 〜日本近代化の躍動を体感できるまち〜」での歴探、今や呉の郷土料理ともいえる「呉海自カレー」は迫力ある展望を楽しみながら美味しさに舌鼓、今まで気になっていたハート島の展望もしっかりと楽しむ事が出来ました。今日の走行距離は350km足らずでしたが久しぶりの長距離走行で腰と尻に多少痛みを感じてしまい、最後の高速道路走行では友人たちに遅れを取ってしまいましたがとても楽しい一日を過ごす事が出来ました。これからはツーリングに最適なシーズン到来です。また機会を作って走りに行きたいと思います。
※ 呉海自カレーについて…
各艦艇では毎週金曜日の昼食にカレーが食べられていて、その訳には諸説あるようですが有力説は、長く航海している隊員が曜日感覚を忘れないようにするためだそうです。また艦艇ごとに独自のカレーレシピがあるようで、言い換えれば艦艇の数だけレシピもあるという事です。カレーは旧日本海軍当時からの伝統が受け継がれていて、現在の海自でも毎週金曜日に出されるカレーを隊員の方々は楽しみにしているのではないでしょうか。
艦艇に乗務しなければ味わない貴重な味を呉海自カレー提供店で金曜日以外でも手軽に味わう事が出来ます。レシピは各隊の調理担当隊員から直接教示され、その味が忠実に再現されているようで、各司令や艦艇長からのお墨付きの味だそうです。機会があれば海自カレーの味比べで、食べる歩いてみるのも楽しいかもせれません。