前回の駅弁食べ歩きの一人旅を計画していると、どうやら妻も行きたいような素振りを見せていました。たまには妻孝行もしておかないとと思い妻の休みを確認し、並行して今回の旅行計画を密かに立てていました。今回の駅弁食べ歩き旅は、妻のためにちょっと豪華にグリーン車を利用し、宿も少し奮発し駅弁もさる事ながら、宿や食事にも多少拘ってみました。妻が好みそうな駅弁もチョイス、当然私の食べたい駅弁や乗ってみたい列車などもしっかりと計画に組み込んでいます。
今回は三日間の長旅になるので、「大阪~上越妙高~金沢編」「金沢~太地編」「太地~博多編」の三部構成で纏める事にします。少し長くなりますが最後までお付き合いください。
大阪~上越妙高~金沢編
今回は息子に駅まで送ってもらいました。
6時45分発岡山行き普通列車が入線して来ました。
笹が瀬川橋梁からは金甲山付近の朝焼けが望めました。
6時56分岡山駅に4分程遅れて到着、乗り換え時間は6分程しかありません。さらに今迄利用した事の無いホーム北端にある5番ホームに到着したので連絡橋まではかなり離れています。
新幹線への乗換だけであればある程度余裕はありますが、今回は岡山駅で駅弁を購入する予定なので急いで新幹線乗換口へ向かいます。
駅弁の購入を終え発車まで残り2分足らずで何とか新幹線ホームに到着です。ほぼ同時に乗車予定の新幹線が入線して来ました。駅弁の販売所や新幹線の入線時の写真は取り損ねてしまいました。
乗車するのは9号車、座席は6-A席と6-B席です。
今回乗車する新幹線は、7時6分に岡山駅を発車する広島駅始発の「のぞみ90号」東京行きです。
早速駅弁をいただく事にします。まずは「但馬牛と焼き穴子のあいのせ重」(まねき食品 、1,200円)です。「瀬戸内名物 焼き穴子と煮穴子のよくばり弁当」(三好野、1,000円)を購入する予定でしたが、駅弁の名前がすぐに出ず、スタッフの方に「穴子の駅弁をお願いします」と言うと、「二種類ありますが・・・」と言われ、時間も無かったので「どちらでも構いません」と答えると、この駅弁を出してくださいました。三好野の売店なのに・・・ しかし、但馬牛や穴子はカニと共に、まねき食品の大看板みたいなものなので楽しみです。
予想どおり妻は「穴子が食べたい」とこちらを選びました。「穴子も美味しいけど但馬牛もとても柔らくて美味しい~」と言いながら食べていました。
もう一つの駅弁は岡山駅弁の「あったか えびめしとデミカツ丼」(三好野 、1,180円)です。以前から気になっていた駅弁ですが地元の駅弁は身近過ぎるためか、なかなか食べる機会が無くやっといただく事が出来ます。
容器の横には黄色い紐が出ています。この紐を引き抜き出来上がりを待ちながら説明書を読んでいると「箱に入れたまま紐を引いてください」とあり、急いで箱に戻します。
箱が少しずつ膨らんできて蒸気が出て来ました。間に合ったようです。
待つ事7~8分・・・ ほっかほっかの駅弁の出来上がりです。この駅弁は岡山を代表するB級グルメの二品を一度に味わう事の出来る画期的な駅弁で、しかも暖かく出来立ての美味しさを楽しむ事が出来ます。
一般的にカツ丼といえば玉子とじのカツ丼などを思い浮かべますが「デミカツ丼」はトンカツにデミグラスソースをかけた岡山のご当地丼、「えびめし」もスーパーマーケットの惣菜売場や冷凍食品のコーナーにも並んでいる、共に岡山ではなじみの郷土料理です。
トンカツにデミグラスソースが乗っています。欲を言えば、デミグラスソースがもう少し沢山かかっていても良いのではなっかと思います。それに定番のグリンピースが乗っていないし・・・ 味は普通にスーパーマーケットの惣菜売り場などで販売されているデミカツ丼で、可もなく不可も無くと言ったところです。
えびめしはプリプリのえびが乗っていて見た目は真っ黒なピラフ、トッピングに錦糸玉子が添えられ、ソースの香りが食欲をそそる定番のえびめしです。えびめしの味は合格点でした。地元の駅弁はなかなか食べる機会が無くやっと「えびめしとデミカツ丼」をいただく事が出来、満足満足! ごちそうさまでした。
7時24分頃左側車窓に朝日を浴びて美しく佇む姫路城が望めました。
7時35分頃右車窓に明石海峡大橋が望めました。
新大阪駅到着前に吸いだめをしておきます。喫煙ルームはひとつ前の10号車になります。
7時55分、新大阪駅に到着しました。
乗換のため在来線のホームに向かいます。
途中駅弁を購入するため「EKI MARCHE」に立ち寄ります。
駅弁を購入し4番ホームに下りると「ワイドビューひだ25号」が入線していました。
「ワイドビューひだ25号」は8時7分高山駅に向け発車しました。今回私たちが乗車する「サンダーバード7号」の1号車乗車口はホームの北端になるのでさらに進みます。
乗車口はもう少し先ですが、2番ホームに8時14分発、おおさか東線の久宝寺駅行普通列車が停車していました。JRおおさか東線は、新大阪駅と久宝寺駅(八尾市)を結ぶ路線で2008年(平成20年)に放出《はなてん》駅~久宝寺駅間が開業、新大阪駅~放出駅間は2019年(平成31年)に貨物支線の城東貨物線を旅客線化し開業した新しい路線です。
乗車口までやって来ました。乗車する「サンダーバード7号」は9両編成で、乗車するのは先頭車両の1号車です。
8時13分「サンダーバード7号」が入線して来ました。先頭は非貫通型車両です。
いい顔しています。撮影を終え乗車します。
座席は1号車の8-A席、8-B席で進行方向の左側になります。琵琶湖が良く見える右側が良かったのですが、右の席は一人掛けのため仕方なくこの席にしました。
8時14分「サンダーバード7号」は金沢駅に向け発車しました。この列車は「サンダーバード」の中でも一番停車する駅数が多いため、他の「サンダーバード」よりも時間がかかってしまいます。停車駅は、始発の大阪駅を発車後、新大阪駅、高槻駅、京都駅、堅田駅、近江今津駅、敦賀駅、武生駅、鯖江駅、福井駅、芦原温泉駅、加賀温泉駅、小松駅、松任駅、金沢駅と停車して行きます。急ぐ旅ではないのでのんびりと列車旅を楽しみます。
今日2回目の朝食です。「松阪牛にぎり寿司」を食べてみたかったのですが、残念な事に置いていないそうなので、仙台駅弁の「牛たんと明太子のお弁当」(大阪デリバリーセンター、 1,080円)にしてみました。仙台の「牛たん利久」の弁当を大阪デリバリーセンターが製造しているようです。
箱から取り出すと、そぼろ飯の上に牛タンと明太子が丸々1本乗っていてボリューム感が感じられます。
牛タンは少し薄い感じですが、牛タンと麦飯は相性も良くとても美味しくいただく事が出来また。明太子もとても美味しく、明太子単品でも楽しめそうな駅弁でした。
妻には「サーモンアボカドのわさび醤油DX」(和saiの国、799円)をチョイスしてみました。
「サーモンアボカドのわさび醤油DX」は、紙パックの下段に寿司飯、上段にはサーモンの唐揚げやアボカドなどの野菜が乗っていて、女子受けしそうな駅弁です。
上段の容器にはキューブ状のサーモンの唐揚げがアボカドやキュウリ、水菜、レタスなどの野菜の上に乗っていて、その上にトビウオの魚卵が盛られています。
私も少しいただいてみましたが、サーモンの唐揚げは美味しく、トビウオの魚卵のプチプチ感もとてもいい感じです。酢飯がとても美味しく、野菜はワサビがアクセントを効かせていて食が進む感じです。野菜がわさび醤油ドレッシングとの相性も良く美味しかったと妻はとても喜んでいました。安価でとてもヘルシーな駅弁という感じでした。
左車窓に「京都鉄道博物館」が見えて来ました。
扇型の機関区は見えますが、庫内の機関車は手前の車両の陰になり見る事は出来ません。この車両は2015年(平成27年)まで大阪駅と札幌駅間で運行されていた寝台特急「トワイライトエクスプレス」の車両ではないでしょうか?
8時41分京都駅を発車し湖西線に入ると、右車窓に琵琶湖が見えて来ました。右側の空いている席へ移動し撮影しました。
近江舞子駅付近からは雪景色になりました。琵琶湖の先には標高1,377mの伊吹山が見えています。
竹生島《ちくぶしま》が見えました。この島は琵琶湖の北部に浮かぶ島で沖島に次ぐ大きさの島です。宝厳寺や土産物店などもあるようですが関係者は島外から通っているそうで住民が住んでいない無人島だそうです。
9時15分、近江今津駅に到着しました。ホームの上には50cm以上の雪が積上げられていました。
9時20分頃マキノのメタセコイアの並木付近を通過しています。この並木は「農業公園マキノピックランド」を抜けマキノ高原へ向かう県道287号線(小荒路牧野沢線)沿いの約2.4kmに渡りメタセコイアが約500本植えられていて高原らしい景観を楽しめる場所です。
線路の周りも雪が積もっています。
琵琶湖の西側を周り北東付近までやって来ました。琵琶湖の北側を過ぎると長浜市立塩津小学校の先に北陸線が見え始めました。
北陸線と合流します。北陸線は米原駅から金沢駅間を結ぶ176.6kmの路線で、かつては直江津駅まで繋がっていましたが、2015年(平成27年)の北陸新幹線金沢延伸開業に伴い、並行在来線となった金沢駅から直江津駅間がJR西日本から分離され、金沢駅から倶利伽羅《くりから》駅間は「IRいしかわ鉄道」、倶利伽羅駅から市振《いちぶり》駅間は「あいの風とやま鉄道」、市振駅から直江津駅間は「えちごトキめき鉄道」と三社の第三セクター鉄道会社に移管されました。
9時25分頃、近江塩津駅を通過します。
左車窓に上り線専用路線の鳩原ループ線が見えました。
鳩原ループ線の下を潜ります。
舞鶴若狭自動車道の敦賀絹掛大橋の下を抜けました。まもなく敦賀駅です。
9時38分敦賀駅を発車し、しばらく進むと「デッドセクション」(交直電源の切替えのための無通電区間)を通過しました。昔、「雷鳥」で湖西線を通過した際、永原駅と近江塩津駅間にあったデッドセクション通過時、数秒間車内の照明が消灯しましたが最近は車内照明は消えないようです。場所を知らなければ気付かないうちに通過してしまいます。
※ デッドセクションは2006年(平成18年)に永原駅~近江塩津駅間から敦賀駅の東側、敦賀駅~南今庄駅間に移設されました。この移設により関西などから敦賀駅まで直流電車の新快速列車などが乗り入れ可能になりました。
北陸新幹線の2024年(令和6年)春開業に向け延伸工事が行われています。
九頭竜川橋梁を渡ります。左奥には丈競山《たけくらべやま》の北峰(964.3m)と南峰(1,045m)の双耳峰《そうじほう》が望めました。
10時34分頃、加賀温泉駅付近で左車窓から巨大な観音像が見えました。加賀大観音と言うそうで、高さが73mもある巨大観音です。
田園地帯を走ります。この辺りの平野部には雪はなく、遠くの山々に雪が積もっているだけのようです。
11時2分、金沢駅に到着しました。
取り急ぎ改札を抜け表に出ます。
向かった先は駅の西口(金沢港口)南側にある喫煙場所です。
乗換には十分時間があるので駅の東口(兼六園口)にやって来ました。幾何学模様のガラス天井がやさしく迎えてくれました。2005年(平成17年)、雨や雪が多い金沢で「駅を降りた人に傘を差し出すおもてなしの心」をコンセプトにガラス張りで地下広場を備えた「もてなしドーム」が整備されたそうです。
「もてなしドーム」の先には金沢の新たなシンボルともいえる能楽の鼓をイメージした「鼓門」が構えています。
金沢駅は2011年(平成23年)にアメリカの旅行雑誌「Travel + Leisure」《トラベル・アンド・レジャー》のウェブ版で「世界で最も美しい駅」の一つに選定されたそうです。
金沢駅の改札脇にあるショッピングモール金沢百番街「あんと」に向かいます。「あんと」とは金沢弁で「ありがとう」という意味の「あんやと」にちなんで名付けられたそうで、土産品や食事などの店舗がテナントとして入っています。
近江町舟樂です。明日の朝食に「金沢手押し棒鮨 のどぐろ」を購入予定なのでしっかりと場所を確認しておきます。
土産店には、のどぐろ茶漬けや北陸限定商品などが並んでいました。
「あんと」の入口にはC58型蒸気機関車の動輪が置かれています。
今回駅弁を購入する「えきべん 金澤」です。前もって予約しているのでスムーズに受取る事が出来ました。
北陸新幹線に乗換のため新幹線ホームに向かいます。
新幹線ホームに上がって来ました。乗車するのは11時57分発「はくたか562号」東京行きです。
JR東日本のE7系電車です。この車両は2015年(平成27年)の北陸新幹線金沢開業に向けてJR西日本とJR東日本が共同で開発されたそうで、W7系がJR西日本、E7系がJR東日本の車両だそうです。以前長野新幹線のE2系電車には乗車した事はありましたがこの車両は初めて乗車します。
北陸新幹線は30‰の勾配区間や電源周波数の切替などがあり、車両には厳しい条件が課せられ、ブレーキ性能の向上や50/60Hzの両方に対応するなどの特別な仕様の車両です。
11時57分金沢駅を発車しました。E7系型には「グランクラス」という一タンク上の席があり“高めあう和”、グリーン車は“和風の和”、普通車は“集う和”とそれぞれにテーマを設けデザインされているそうです。12号車に設けたグランクラスでは、伝統を感じる空間と先進の機能を持つシートがお互いを高めあうことで居心地の良い、ゆとりある空間を創り出しているそうです。
この列車は初めて乗車するのでグランクラスにするか普通席にするか悩んで、普通席に乗車してみる事にしました。座席の配置は東海道山陽新幹線とは逆で東京駅方面に向かい右側が二人掛け、左側が三人掛けになっています。
座席のヘッドレストは上下可動式になっていて、座席は赤色と黒色、通路は茶系、側面や天井が薄茶色と白系の配色で、照明はLEDのようです。座り心地もヘッドレストがあるためかとてもいい感じです。
早速先程購入した駅弁をいただきます。まずは「蟹百万国」(高野商店、1,350円)、 妻はこちらを食べるそうです。包装紙のカニのイラストには加賀前田藩の家紋がデザインされ、石川県産ひゃくまん穀米使用と書かれています。
包装紙から取り出すと、わっぱの寿司飯の上にベニズワイガニの棒身、ズワイガニのほぐし身、香箱蟹《こうばこがに》(セコガニ)の内子と外子それにガリが添えられています。
酢飯の上はカニ尽くしで、ちょっとした豪華さを感じます。
同封されていた寿司しょうゆをかけていただきます。少し味見をさせてもらいましたが、米粒も少し大きな感じで酢飯の味付けも良く、妻も三種類のカニを食べ比べる事が出来とても満足したそうです。
続いて「かにずし」(高野商店、1,250円)です。この駅弁は冬季限定品という事で、大いに期待が持てそうです。
包装紙から取り出し蓋を開けると、寿司飯の上に沢山のベニズワイガニの棒身が整然と並んでいます。ベニズワイガニの棒身だけを使った少し贅沢な駅弁です。
同封されれいた寿司しょうゆをかけていただきます。乗っているのはベニズワイガニの棒身だけですが、これだけ棒身を食べれれば食べた感は十分で、カニの甘みと触感をしっかりと楽しめました。酢飯も少し甘酸っぱい感じで私好みの味付けでした。ごちそうさまでした。
富山駅を発車すると右車窓から雄大な立山連峰を望む事が出来ました。
雪を抱いた山々は見応え十分です。
左車窓には日本海が広がっています。
見えている山は妙高山と新潟焼山でしょうか? 見事な山々の雄姿が望めます。
妙高山をアップで撮影してみました。
12時59分上越妙高駅に到着、所要時間は1時間足らずでした。
「はくたか562号」を見送ります。
駅の外に出てみます。東口側には「もてなしドーム」というエントランスホールがあり、上部はガラス張りで内部に越後杉が用いられた温かみのある空間が演出されていました。
東口に出て来ました。周囲には沢山の雪が積もっています。上越妙高駅は、上越市南部にあり、市内の高田地区と妙高市中心部のほぼ中間に位置しています。北陸新幹線の開業に向け2014年(平成26年)から旧駅舎の西側120mの地点に移転し、在来線の信越本線が現在の新しい橋上駅舎で運用が開始され、翌2015年(平成27年)には新幹線の金沢駅までの延伸開業で新幹線の駅として新たにスタートしました。また同日信越本線がJR東日本から経営分離され、第三セクターのえちごトキめき鉄道へ移管され、駅名も脇野田駅から現在の上越妙高駅に改称させたそうです。
東口側の「もてなしドーム」から続く歩行者道には周辺地域に古くから残る雁木《がんぎ》を模した「駅雁木」と呼ばれる屋根が約172mにわたり整備されイベント広場に続いています。
※ 雁木とは、おもに冬季の通路を確保するため家屋の一部や庇などを延長したもので、豪雪地の生活の知恵から生まれたそうです。上越市内に多数残されていて、特に高田地区にある雁木の総延長は日本一を誇るそうです。
その「駅雁木」の先にあるイベント広場には「馬上謙信公像」がありました。
上杉謙信は、武田信玄や織田信長などとの戦が有名ですが、長年内乱が続いていた越後国を治め、繁栄させるために尽力した名武将でもあったようです。
駅構内の連絡通路を抜け西口側にやって来ました。駅前広場の左奥に妙高山(新潟県妙高市)が望めます。
越後富士として知られる妙高山や外輪山、その麓に広がる田園風景などを望むことが出来ました。
妙高山は、妙高戸隠連山国立公園にある標高2,454mの山で、日本百名山に選らばれています。また北信五岳の一つに数えられ、その中の最高峰でもあります。
今回の目的の一つ上越妙高駅の駅弁を購入する「山崎屋」です。駅の連絡通路の新幹線改札前付近にありました。
今回の駅弁は「鱈めし」と「さけめし」ですが、「鱈めし」は完売の札が付いています。でもご安心あれ、ちゃんと事前に予約しています。
さすが酒どころ新潟です。沢山並んでいました。
目的の駅弁も購入出来たので少し早いですが新幹線ホームに向かいます。
乗車するのは「はくたか563号」金沢行きです。
北陸新幹線には喫煙ルームが無いためか、ホームに喫煙ルームが設置されていました。ここでゆっくりとタバコタイムです。
14時15分、乗車する「はくたか563号」が入線して来ました。
「はくたか563号」の11号車に乗車しました。席は6-A席、6-B席です。グリーン車は青色を基調とした車内で、シートやカーペットの格子模様は兼六園横の成巽閣の群青の間をモチーフにデザインされたそうです。ヘッドレストはやはり可動式で、その横に読書灯のランプが取り付けられています。
肘掛には読書灯にリクライニングシート、フットレストの代わりのレックレストボタンが付いています。
14時16分、「はくたか563号」は金沢駅に向け発車しました。
今日の二回目の昼食です。今回の目的の一つ上越妙高駅の駅弁を早速いただきます。一つ目は「鱈めし」(ホテルハイマート、1,200円)です。この駅弁は、東日本エリアの駅弁を対象にした第1回目の「駅弁味の陣」で駅弁大将軍に選ばれた駅弁なのでとても楽しみにしていました。
包装紙から取り出しフタを開くと、棒鱈の甘露煮、焼きたらの子、たらの親子漬け、野沢菜ワサビ漬け、奈良漬けなどがご飯の上に敷き詰められています。
甘露煮は色濃く味も辛そうな感じですが、齧ってみるととても美味しく私好みの味付けです。骨も柔らかく全て食べられるようにしっかり煮込んでありました。
焼きたらの子はレアに仕上げられています。たらこはそのまま生で食べても美味しいですが、表面を軽く焼き上げる事で食感や味が際立ってきているように感じました。
たらの親子漬けは上越市の北隣柏崎市を代表する名産品のようで、甘酸っぱいく酢の物の一種のような感じの珍味で、どちらも日本酒の肴に合いそうです。
ご飯は昆布が混ぜこまれたもので、上に錦糸卵が乗っています。昆布で炊込んでいるのか味もしっかりしていて、ご飯だけでも十分食べれそうな感じです。野沢菜ワサビ漬けのピリッとした辛味はご飯にもとても合い美味しくいただく事が出来ました。
鮭好きの妻には「さけめし」(1,200円、ホテルハイマート)をチョイスしています。この駅弁も第8回の「駅弁味の陣2019」で「鱈めし」に次いで二度目の最高賞の駅弁大将軍を受賞したそうです。同じ業者が2度も最高賞を受賞したのは珍しいのではないでしょうか?
イクラの醤油漬けも乗っていて鮭とイクラの親子弁当、とても美味しそうです。鮭はどこでも手軽に食べる事が出来ますが、実は東日本から北日本でしか獲る事が出来ない魚です。という事はここ新潟では美味しい鮭を食べる事ができるはずです。
鮭は良い感じに焼き上がっていて、ふんわり柔らかく鮭の脂の旨みも十分乗っていたそうで、ご飯には昆布の佃煮が適度にまぶされていて旨味がご飯に伝わり鮭とベストコラボだったそうです。デザートの杏子はシロップ漬けでとても美味しかったと妻の感想です。「鮭は美味しかったけど、骨が残っていて少し食べ難かった・・・」と妻は言っていました。プラスチック製の容器は小物入れなどに使えそうですが、今回は荷物になるので2つ共処分しました。
どちらの駅弁もとても美味しく郷土の味を楽しむ事が出来ました。さすが「駅弁味の陣」で駅弁大将軍を受賞しただけの事はあります。この二つの駅弁を食べるがために遠路上越妙高駅まで来たかいがありました。ごちそうさまでした。
糸魚川駅を発後しばらく進むと姫川を渡ります。右車窓には日本海が見えています。
富山駅を発車後右車窓に富山港の入口に架かる新湊大橋が望めました。
15時19分金沢駅に到着です。10分の乗継時間で旧北陸線を運行しているIRいしかわ鉄道に乗換ます。
IRいしかわ鉄道のホームにやって来ました。15時29分発七尾駅行き普通列車に乗車します。
15時35分、IRいしかわ鉄道の森本駅で下車します。この駅からはタクシーで宿に向かいます。
森本駅から15分程で今夜宿泊する深谷温泉「元湯 石屋」(金沢市深谷町)に到着しました。この旅館は江戸時代から続く加賀藩ゆかりの老舗旅館だそうです。
昔ながらの大きな時計が置かれています。この時計を眺めていると時間が過去へ遡って行くような不思議な感じがしました。
館内には所狭しと美術品が沢山展示されています。
廊下にもさりげなく置かれています。
部屋には火鉢が置いてありました。
今回の目的の一つモール温泉です。この温泉に入るため遠路金沢までやって来たと言っても過言ではありません。ここ「元湯 石屋」の温泉はモール泉という植物由来の有機物を含んだ珍しい琥珀色のアルカリ泉質の温泉です。温泉分析書によると泉温20.5°、湧出量39.6L/min、PH値8.6、強褐色、澄明、無味、無臭、メタけい酸も72.8mg含まれているようです。湧出量が少ないため、源泉掛け流しではないのが少し残念ですが・・・
モール泉は肌がツルツルになる事から美人の湯とも言われ、今から30年程前頃までは、ドイツのバーデン=バーデンと北海道の十勝温泉の二か所だけにしかない珍しい温泉と言われていましたが、その後他の地域でもモール成分を含む温泉が確認されたそうです。昔、十勝温泉で初めて入ったモール温泉でこの琥珀色にとても感動し、また機会があれば是非楽しみたいと思っていた温泉です。
琥珀色の湯を存分に楽しむ事が出来、妻もとても喜んでいました。
ちなみに、モール泉には泉質の定義がなく温泉法などとは別の概念で、一般的に分類上は単純温泉や炭酸水素塩泉などに分類されているようです。ここ「元湯 石屋」の温泉分析書にも「メタけい酸及び炭酸水素ナトリウムの項により温泉に適合する。ただし、療養泉には該当しないので泉質名はない」と書かれていました。
温泉を楽しんだ後は夕食です。
金沢の会席料理を楽しみます。
箸始めは、加賀の丸芋・・・
前菜は、お多福豆、わかさぎ山椒煮、能登ナマコみぞれ和え、林檎と甘藷のカステラ、飲む美容液・金沢の甘酒、くるみ煮、かぶら寿司・・・
造りは、七尾港の魚たち・・・
凌ぎは金時草うどん・・・
郷土料理冶部煮には、鴨や加賀の簾麩などが入っています。
治部煮はワサビを溶かしていただくそうです。
進め肴は、蟹味噌チーズ仕立・・・
石焼は、能登牛・・・ 良いサシが入っています。
柚子胡麻味噌を乗せていただきます。
蒸し物は、蓮根はす蒸し・・・
留椀の合わせ味噌仕立ては撮影し忘れたようです。
デザートは、マンゴープリン・・・
この旅館には本格的な能舞台があります。金沢では歴代藩主が能をたしなみ奨励した事から町民にまで能文化が広まったそうで、能を愛した石屋六代目当主が1917年(大正6年)に、孫の誕生を記念し建造された総檜造りの能舞台だそうです。本格的な能舞台は、金沢でもこの旅館を含めわずかしか残っていないようです。
モール温泉をゆったり楽しみ、美味しい加賀料理に舌鼓、素敵な金沢を味わうことが出来ました。
金沢~太地編
8時に予約していたタクシーが早く着いたので、7時50分頃宿を出発します。
8時35分発の列車に乗車予定でしたが、2便早い8時16分発の列車に乗車出来そうです。
乗車します。
8時24分金沢駅に到着しました。朝食の駅弁購入に向かいます。
昨日の駅弁に続き今回も「えきべん 金澤」です。スタッフの方が私たちの顔を覚えていてくれたようで、何も言わぬ間に駅弁を出してくださいました。もう一品、近江町舟樂の「金沢手押し棒鮨 のどぐろ」を予定していましたが、少し量が多くなりすぎると思い、予約もしていなかったので今回は見送る事にしました。
「えきべん 金澤」で手造りおむすびを販売していたので妻と一つずつ購入する事にしました。
乗車前にタバコの吸いだめをしておきます。2便早い列車に乗車出来たので時間に余裕もあり、ゆっくりとタバコを吸うことが出来ました。
駅に戻りました。改札はJR西日本とIRいしかわ鉄道の共同使用です。
8時50分、金沢駅始発の「サンダーバード14号」が入線して来ました。この列車は停車駅の一番少ない最速列車で、金沢駅を発車後、福井駅、敦賀駅、京都駅、新大阪駅、終点の大阪駅と停車する駅数は始発の金沢駅を含め6駅だけです。
車両のサイドには青色のラインとサンダーバードのシンボルマークがデザインされています。
最後尾の1号車です。撮影を終え乗車します。
乗車するのは最後尾車両の1号車、6-A席、6-B席です。
9時2分、金沢駅を発車しました。
景色を眺めながらが朝食の駅弁をいただく事にします。
先ずはおにぎりからいただきます。妻は「海老天むすび」(おむすび、195円)、私は「能登塩炙り のどぐろむすび」(おむすび、380円)です。
「能登塩炙り のどぐろむすび」はご飯は美味しかったのですが、もう少しノドグロが入っていれば・・・ 期待していただけに一寸残念な気がしました。
「海老天むすび」は大きな海老天が入っていたそうです。
続いて駅弁です。一つ目は「金沢三昧」(高野商店、1,250円) 、この駅弁は2015年(平成27年)の北陸新幹線金沢開業時に発売が開始されたそうです。
蓋をあけると、金沢の美味しいもの三品ずらり勢揃い! カニ寿司に能登牛のおこわ飯、ノドグロ寿司と金沢グルメを一度に味わえる駅弁です。
金沢のブランド牛能登牛を使った牛おこわ・・・
金沢で外せないノドグロ寿司には酢締めのノドグロと椎茸が乗っています。全体に上に乗っている具材の量は少なめでしたが、地元の海鮮から能登肉まで金沢の美味しいものをギュっと詰め込んだ駅弁で、とても美味しくいただく事が出来ました。
もう一品は「のどぐろと香箱蟹と甘えびの三昧弁当」(高野商店、1,480円)です。
三種類の金沢の味が楽しめる駅弁です。
金沢の出汁で仕込んだノドグロ、ハス、ニンジン、ゴボウ、小松菜、椎茸、それに玉子焼と栗が乗った炊込みご飯・・・
ノドグロとハスの下には香箱蟹のいなり寿司と甘エビのいなり寿司が隠れています。
酢が程良く効いている香箱蟹のいなり寿司・・・
甘エビのいなり寿司には金粉も載って金沢感満点で見た目も華やか! 少し味見をさせてもらいましたが、薄酢で和えた甘えびがとても美味しかったのが印象的でした。
延伸工事中の新幹線高架が望めます。
福井駅を過ぎると平野部にも雪が増えて来ました。
延伸中の新幹線のトンネル工事現場です。
「デッドセクション」を通過中です。ここで電源が交流から直流に切替ります。
10時14分、敦賀駅に到着です。
10時16分敦賀駅を発車すると左車窓に新幹線の車両基地が建設されていました。
鳩原ループ線に入ります。地図に下記写真の撮影場所を入れてみました。鳩原ループ線の正式名称は「衣掛隧道ループ線」で、北陸線の敦賀駅の南に位置し、衣掛山を一周する半径約400m、高低差約27mの大阪、米原方面に向かう上り線専用のループ線です。詳細は前回の「駅弁食べ歩きの列車旅 ~琵琶湖周遊~」と重複するので今回は省略します。
右車窓に下り線の路線が見えています。地図①
下り線の路線を跨ぎます。地図②
下り線は左方向に離れ、上り線のループ線は右にカーブしながら第二衣掛トンネルに入ります。地図③
列車は大きく右にカーブしながら第二衣掛トンネルを抜けると左側車窓手前には小浜線の路線、その先には敦賀市街地が開けています。右カーブは続きすぐに第一衣掛トンネルに入ります。地図④
トンネルを抜けるとカーブは緩やかになり、しばらく進むと左車窓に鳩原ループ線を走らない下り線が見えて来ました。地図⑤
10時24分頃、新疋田駅を通過します。地図⑥
しばらく4本の路線が並走します。
10時29分頃、近江塩津駅を通過します。
湖西線に入ると左側車窓に琵琶湖が見えて来ました。
平野部の雪は無くなりましたが琵琶湖西岸の山々には雪が残っています。
10時55分頃、左車窓に琵琶湖大橋が見えて来ました。
38階建て、地上136mと滋賀県で一番高い建物、びわ湖大津プリンスホテルが見えて来ました。
まもなく京都駅に到着です。
右車窓には京都タワーが見えて来ました。
11時12分京都駅を発車し、しばらくすると右車窓に京都鉄道博物館にある扇方の機関区が見えて来ましたが、庫内の機関車は手前に停車している車両で見る事は出来ませんでした。今回手前には「関空特急 はるか」が停車していました。
山﨑駅を通過すると11時20分頃、右車窓に蒸溜釜が見えました。ここはサントリー山崎蒸溜所で、ここではシングルモルトウイスキー「山崎」が生産されているそうです。
11時25分頃茨木駅の少し手前で、右車窓に菓子メーカー明治の大阪工場の超巨大なチョコレートが見えて来ました。
妻に通常のチョコレートの約38万枚分だと話すと、納得していましたが「夏になったら溶けてしまいそう・・・」と、私が感じた事と同じことを言っていました。
アップにしてみましたが、かなりリアルな看板です。美味しそうに見えるのは私だけでしょうか?
看板の全景です。手前の建物と見比べると大きさが分ります。
11時35分、新大阪駅に到着しました。
「サンダーバード14号」を見送り、昼食の駅弁を購入するため2階のエントランスに向かいます。
昼食は今回も「EKI MARCHE」で購入します。駅弁購入後タバコを吸うために一度新幹線の改札を入ります。新大阪駅はJR西日本が管理する在来側には喫煙スペースが無いため、JR東海が管理する新幹線のコンコース内の喫煙ルームに向かいます。
しっかりとタバコの吸いだめをし、乗換のため在来線ホームに向かいます。
3番ホームに下りて来ました。
南端の「くろしお11号」の乗車口までやって来ました。
12時12分新大阪駅始発、新宮駅行き「くろしお11号」が入線して来ました。
撮影を終え乗車します。
乗車する1号車の4-A席、4-B席は左側の席になります。この車両も海が望める右側席が良かったのですが、右の席は一人掛けのため仕方ありません。
12時15分、新大阪駅を発車しました。
淀川橋梁を渡りますが、いつもとは違う一番西側の橋梁を渡っています。
淀川橋梁を渡ると東海道線から別れ梅田貨物線に入ります。しばらく走ると新御堂筋の下を潜りました。この路線は以前から気になっていて、機会があれば乗ってみたいと思っていた路線です。
グランフロント大阪の横を通過します。
大阪駅北側では再開発エリア「うめきた」の2027年(令和9年)オープンに向け第2期工事が行われていました。
大阪駅の西側を通過します。この路線は大阪駅の北側にある梅田信号場(梅田駅跡)を経由し西九条駅に向かう旧貨物線で、大阪駅は経由しないルートです。貨物列車主体で運転されていますが、新大阪駅と大阪環状線の天王寺方面を結ぶ連絡線の役割を持ち、新大阪駅方面と関西国際空港や南紀方面を結ぶ旅客列車も運転されています。
大阪環状線に合流し、安治川橋梁を渡ります。先に阪神なんば線の橋梁が見えています。
大阪ドームの横を通過します。1997年(平成9年)、東京ドーム、福岡ドームに次ぎ日本で3番目のドーム球場としてオープンしたそうです。
通天閣が見えて来ました。
12時32分天王寺駅に到着です。
天王寺駅を発車したので昼食の駅弁を食べる事にします。一品目は「ローストビーフ 牛トロ寿司」(神戸ビフテキ亭DELI、918円)です。今回は松阪牛と神戸牛の握りを食べ比べる予定でしたが、松阪牛は食べれたかったのでしっかりと神戸牛を味わいます。
蓋を開けると三貫並んでいます。両端は超レアな感じで、真ん中は少しミディアムな感じです。
牛トロとはよく言ったもので、口のなかで旨みが溶け出て来る感じが堪りません! 上に乗っているレホールという西洋ワサビも爽やかな辛さで牛トロやシャリによくマッチしていてとても美味しくいただく事が出来ました。牛肉の中でも脂身の旨さと柔らかさが実感出来る大トロを堪能する事が出来た駅弁でした。もう一つ買っておけばよかったと少し後悔してしまいましたが、今夜の夕食に備え昼食は少し控えめに押さえておきます。
もう一品は「牛とろローストビーフ弁当」(神戸ビフテキ亭DELI、1,760円)を妻にチョイスしました。
ローストビーフがしっかりと敷き詰められていて、ローストビーフ好きの妻は大喜びです。
ステーキソースをかけていただきます。
少し味見をさせてもらいましたが、程好い脂身で、濃厚なローストビーフのダレもさることながら、こちらは別に付いていたレホールを乗せいただいてみると「ローストビーフ 牛トロ寿司」にも迫る程の味わいでした。
一緒に付いていた出汁しょうゆ仕立ての卵のタレもかけていただきましたが、卵の黄身の濃厚さが感じられ、これだけでも十分美味しくいただく事が出来そうでした。
妻が足りないといけないからと、カニクリームコロッケ(和saiの国、330円)を購入しました。
カニクリームがギッシリと詰まっていてボリュームがあります。食べてみると、まろやかな味わいでとても美味しくいただきました。
鶏つくね(チーズ&あおさ)(和saiの国、384円)も購入しています。
容器を開けると少しあおさが香り、食べてみると口の中にチーズの濃厚な味わいが広がります。つくねも程良い大きさで食べ応えを感じます。ビールの肴にも合いそうです。
車窓にはミカン畑が見え始めました。
次から次に車窓にミカン畑が現れます。さすがミカンの産地和歌山県です。
御坊駅を発車し、しばらく走っていると梅畑が見えて来ました。
次から次に車窓に梅畑がみられるようになりました。山の法面にも沢山の梅の木が植えられています。
梅の加工場が見えて来ました。日本一の梅の里、和歌山県日高郡みなべ町を通過しているようです。
14時41分白浜駅に到着しました。向かいのホームには白浜駅止りの「くろしお」の車両が停車していました。
本州最南端となる紀伊半島の南部地域は、さまざまな形の奇岩があり独特の景観が楽しめます。
串本駅に到着し、15時40分発車しました。
右車窓には「橋杭岩」が見えて来ました。
橋杭岩は、海中に約850mにわたり紀伊大島に向かって大小40余りの岩柱がそそり立っていて、その並び方が規則的で橋の杭に似ている事からこの呼名が付いたそうです。今の時間は干潮のようなので海岸近くの岩は下部まで見えていました。
15時48分古座駅に到着しました。上り線ホームに停車していたのは休日に運行されている「くろしお30号」新大阪駅行きで、同刻の15時49分発車です。「戸閉めよ~し!」と聞こえて来そうです。
見事な海岸線が続きます。
海水浴が楽しめそうな砂浜もありました。
まもなく今日の目的地、太地駅に到着するようです。
16時7分太地駅に到着です。乗車時間は4時間弱でした。
「くろしお11号」を見送ります。太地駅はホームが一面だけの単式ホームで、1面1線の小さな駅ですが沢山の特急列車が停車します。
ホームは駅舎より少し高い場所にあるため階段を下ります。
太地駅の表に出て振り返ってみると駅舎は立派な建物に変わっていました。駅前では宿の送迎車が既に到着し出迎えてくださいました。
旅館へ向かう道沿いには実物大のザトウクジラの親子のモニュメントが出迎えてくれました。さすがかつて捕鯨基地であった太地です。
今夜宿泊する「いさなの宿 白鯨」(和歌山県東牟婁《むろ》郡太地町)です。昔宿泊した時は太地町立の国民宿舎でしたが、2015年(平成27年)から山永サービスが営業を引継ぎ一般旅館として営業しているそうです。ちなみに、「いさな」《鯨魚、勇魚》とは鯨の古名だそうです。
入口にはランチコースのメニュー看板が置かれていました。昼食だけでも楽しめるようです。
玄関ではクジラたちが出迎えてくれました。
クジラに関する展示物も並んでいます。
今夜宿泊する最上階の特別室です。
和室と・・・
ベットルームです。
夕食まで時間もあるので、近くを散策してみる事にしました。
宿からしばらく歩くと、くじら浜海水浴場が見えてきました。
さらに進むと「くじら博物館」があります。
その近くにあった郵便ポストは青色で、クジラがデザインされていました。
道路の両脇にはヤシの木が植えられています。
くじら浜公園には、かつて捕鯨で活躍していた捕鯨船が展示されています。
捕鯨船「第一京丸」の前には、手投げの銛《もり》を構える人のモニュメントが展示されていました。
「第一京丸」の船首には捕鯨砲が設置されています。
捕鯨砲をアップしました。捕鯨砲を操る砲手は捕鯨船団のエースではなかったのでしょうか?
海岸に出てみました。
堤防では釣りを楽しまれています。
クジラのモニュメントプレートや・・・
クジラのしっぽのモニュメントもありました。そろそろ日も沈みそうなので宿に戻る事にします。
宿の戻り温泉で一日の疲れを癒します。部屋のバスルームにも温泉が引かれているそうですが、大浴場で熊野灘を眺めながら温泉を楽しみます。泉質はナトリウム・マグネシウム一塩化物泉だそうです。
指定時間になったので夕食会場に向かいます。
壁にはクジラがデザインされた時計がありました。
席には先付けが準備されていました。
今夜の夕食は今回一番楽しみにしていたクジラ料理です。このクジラ料理を食べるために遠路時間をかけてやって来たと言っても過言ではありません。しかし妻はクジラは欲しくないと贅沢を言うので、予約時クジラ料理と海鮮料理の二品でお願いしています。
私のオーダーしたのはクジラ料理のフルコース「鯨三味」です。先付はクジラ赤肉の胡麻和え、尾羽毛、クジラ南蛮漬けです。
クジラのユッケ・・・
クジラの造りは、ミンククジラの畝須《うねす》、ニタリクジラ、イワシクジラ、ゴンドウクジラ、イルカの薄造りなど・・・ クジラも色んな種類があるようです。中でもミンククジラの畝須は霜降り高級牛肉か大トロのような味わいです。脂が多いようですがクジラの脂は身体に良いそうで、オメガ3を沢山含んでいてダイエットや動脈硬化予防にも効力があるそうです。
クジラの焼肉は、鯨鹿の子、クジラの赤身、クジラのさえずりです。さえずりは牛で言う牛タンで、牛タン以上に旨味が詰まっている感じで柔らかく脂部分は少し甘味を感じる独特の味わいでした。
野菜と一緒に焼いていただきます。
クジラのレアカツはとても柔らかく、マグロのような旨味を感じました。
クジラのさえすりとダイコン煮・・・
えずりの濃厚でありながら少し上品な味わいが口に広がりました。
クジラの吸い物・・・
クジラの釜飯・・・ もうお腹が一杯になってしまい、妻と少しだけいただきました。
締めのデザートです。
とても美味しいのですが、少し食べ難かったです。しっかりと本場のクジラ料理のフルコースを楽しませてもらい大満足です。
妻のオーダーした海鮮料理のフルコース「熊野会席」です。
先付は、浦神産のバイ貝旨煮・・・
前菜は手造り豆腐、秋刀魚の梅煮、クジラの胡麻和え・・・
造りは、太地産の伊勢海老、マグロ、タイ、ブリ、イカ、ホタテ・・・ 今が旬の伊勢海老を少し味見させてもらいましたが、熊野灘の激しい海流波で育った伊勢海老は特に身がしまっているのかコリッコリしていて、甘みが強く最高の贅沢感を味わえました。
伊勢海老の味噌は妻は食べないそうなのでいだがきましたが、とても美味しかったです。新鮮でなければ味わえない珍味です。
台物は、黒毛和牛のミスジ肉ステーキです。
一つ味見をさせてもらいましたが、この肉は優しい感じで濃厚な味わいと柔かな独特の食感、口の中で溶け出す脂の旨みが感じられました。クジラ料理も良いですがこの海鮮会席も魅力的です。
天婦羅の盛り合わせです。妻は「海老がプリプリでとっても美味しい!」と言いながら食べていました。
焼き物は、大きな車海老の塩焼き・・・
蒸し物は、牡蠣の茶碗蒸し・・・ 妻はあまり牡蠣を食べないので、上に乗っている牡蠣だけいただきましたが、大振りでプリプリとした食感、甘みを感じる美味しい牡蠣でした。
汁物は、伊勢海老の赤出汁です。
締めのデザートです。
このデザートも美味しそうです。
しっかりと海の幸を楽しませてもらいました。ごちそうさまでした。寝る前にもう一度温泉に浸かり休む事にします。おやすみなさい!
7時少し前、東の空が赤く染まり始めました。
7時15分、朝日が顔を覗かせました。今日も良い天気に恵まれそうです。
8時38分の太地駅発の列車に乗車するため、8時前にフロントに下りて来ました。精算を済ませ出発まで南紀地域の土産物を見てみます。
クジラの加工品も沢山並んでいました。
太地~博多編
8時20分、太地駅まで送迎していただきます。
8時30分、太地駅に到着しました。
ホームに上る階段には海の生き物たちが描かれています。
ホームに上がって来ました。
この列車で、紀伊勝浦駅へ向かいます。
ワンマンカーのこの列車は運転席が良く見えます。
計器類は全てカラー液晶表示でゲーム機のように見えました。
海岸線を走ります。
8時45分紀伊勝浦駅に到着しました。1番ホームには8時55分発名古屋駅行き「ワイドビュー南紀4号」が停車していました。この駅へ来たのは紀伊勝浦駅の駅弁を受け取るためです。事前に連絡した際、現在は駅構内で駅弁の販売していないとの事、乗換時間が余りない事を話すとホーム迄持って来ていただけるそうです。無事駅弁を受取る事が出来ました。ありがとうございました。
新宮駅始発の「くろしお16号」が入線して来ました。今回一番楽しみにしていた列車「オーシャンアロー」です。この列車はJR西日本の283系電車で、観光列車として設計され新宮向き先頭車両はイルカをイメージしたデザインになっています。1996年(平成8年)から運行され「オーシャンアロー」という愛称が付けられています。デビュー当時は「海と太陽が大好きな列車」のキャッチフレーズもあったようです。
イルカ顔の最後尾車両です。本来なら南紀に向かう際、展望車があるこの列車の先頭車両に乗車したかったのですが時間が合わず乗車出来なかったため、せめて帰りだけは乗車してみたくて少し早い時間ですがこの列車にしました。
乗車するのは最後尾の1号車、1-A席、1-B席です。
8時49分紀伊勝浦駅を発車しました。1-B席から見た様子です。1号車の前半分は左側が2列シート、右側が一人掛けシートで、後ろ半分は逆の配置になっていました。
1-B席から振り返り撮影しました。
まもなく太地駅です。8時56分太地駅を発車後、朝食の駅弁をいただく事にしました。
私は昔食べた「さんま姿寿司」が食べたく、「さんま姿寿司」と「紀の国弁当」、妻には「鮪素亭育」をチョイスし予約していましたが、出発前に最終確認で電話した際、昨年末頃からサンマが不漁との事で現在「さんま姿寿司」は販売されていないそうです。それぞれの駅弁にサンマ寿司が入っているそうなのでそれを楽しみにします。残念ながら今回は「鮪素亭育」と「紀の国弁当」だけになりましたが仕方ありません・・・
妻にチョイスした「鮪素亭育《マグロステーキ》」(川柳、1,080円)です。
全国的にも珍しいマグロの駅弁です。蓋を開くと特製のタレで味付けされ揚げられたマグロステーキの甘~い、いい香りが漂います。
そのマグロステーキに・・・
玉子焼きとウインナーと新香・・・
海老に金平ゴボウ・・・
サンマ寿司や・・・
めはり寿司と、南紀の味がしっかりと詰まっている駅弁で、妻もとても美味しいと食べていました。
私は「紀の国弁当」(川柳、750円)です。
蓋を開けると、南紀の名物である「めはり寿司」と「さんま寿司」が入っています。シンプルですが、南紀の味を一度に楽しむ事の出来る駅弁です。
めはり寿司は、高菜の葉で包んだだけの質素なおにぎりですが、郷土の味を感じます。
サンマ寿司、やはり美味い! 酢飯とのバランスも良く、さっぱりと食べる事が出来ました。このサンマ寿司はとても郷土色の強い寿司だと思います。「さんま姿寿司」は食べれませんでしたが、「めはり寿司」と「サンマ寿司」、「マグロステーキ」など南紀感いっぱいの駅弁を美味しくいただく事が出来ました。ごちそうさまでした!
左車窓には海岸が見えています。
かなりの急カーブを曲がっているようで、右車窓からは先頭車両が見えました。
9時54分、周参見駅に到着しました。
前方から後方を見た車内の様子です。
紀伊富田駅で列車行き違いのため運転停車していると、「くおしお1号」新宮行きが通過して行きました。この列車はJR西日本と和歌山のテーマパークアドベンチャーワールドがコラボレーションし、2017年(平成29年)から「パンダくろしお」「Smile アドベンチャートレイン」として運行を始めた列車です。まさにパンダ顔で、車内のヘッドカバーもパンダがデザインされているそうです。
10時19分白浜駅に到着しました。発車まで少し時間があるのでコーヒーを買いに下車します。
コーヒーを買ったついでにイルカ顔を見に行きます。何とも言えない愛狂い顔をしています。
乗車します。白浜駅からは沢山の方が乗車され、この車両もほぼ満席状態となりました。
7分間停車し、10時26分白浜駅を発車しました。
梅畑が見え始めました。
梅畑が終わると、ミカン畑が見え始めました。
左車窓に和歌山マリーナシティが見えています。
11時39分、海南駅に到着しました。
阿倍野ハルカスが見えて来ました。まもなく天王寺駅に到着します。
12時35分天王寺駅を発車しました。天王寺動物園の先に通天閣が見えています。
大阪ドームの横を通過します。
右側車窓に東海道線が見えて来ました。
東海道線と平行して淀川橋梁を通過します。
まもなく新大阪駅に到着です。
12時50分終着駅の新大阪駅に到着しました。乗り換え時間は16分、急ぎ昼食の駅弁を購入し新幹線ホームに向かいます。
乗車する「さくら557号」鹿児島中央駅行きです。
13時6分新大阪駅を発車しました。
昼食の駅弁を広げます。神戸ビフテキ亭DELIで購入しました。予定では熟成黒毛和牛メス サーロインステーキ弁当(3,024円)を購入するつもりでしたが今回は赤身ステーキ弁当(1,680円)にしました。 通常2,257円がこの値段だそうで、呼び込みに連れてお得感からつい買ってしまいました。
蓋を開けると美味しそうな牛ステーキが並んでいます。付け野菜のブロッコリーやインゲン豆もおいしそうで、右上には揚げたニンニクも添えられています。
ステーキソースとワサビを乗せていただきます。肉はとても柔らかくジューシーでとても美味しくて大満足です。病み付きになってしまいそう!
予定ではYOKOOの「厚切り牛カツサンド」(1,510円)を妻にはチョイスしていましたが、妻はもう肉類は欲しくないと、さっぱりといただける前回と同じ和saiの国の「サーモンアボカドのわさび醤油DX」(和saiの国、799円)にしました。「厚切り牛カツサンド」、実は私も食べてみたいと思っていた駅弁なので残念です。
まもなく岡山駅です。
岡山の町並みが見えて来ました。
13時51分岡山駅に到着しました。いつもならここで下車しますが、今回はこのまま九州まで向かいます。
13時52分に岡山駅を発車し、しばらく走ると左車窓に岡山ドームが見えてきました。「さくら557号」は福山駅、広島駅、新山口駅、小倉駅と停車して行きます。
まもなく博多駅に到着するようです。
15時42分博多駅に到着しました。
15時44分発の「さくら557」を見送ります。
コインロッカーに荷物を預け博多駅の東側、筑紫口に出て来ました。
博多の街中を歩きます。博多と言えば豚骨ラーメンのメッカ、その博多ラーメンを食べに少し足を伸ばしました。
歩く事10分足らず、目当ての博多ラーメン「一双」(福岡市博多区博多駅東)に到着しました。
16時過ぎという時間にも関わらず長蛇の列です。
並んで待っているとスタッフの方が出て来られ「順番に店内で食券を購入してください」と声かけされたので、前の方から順番に店内に入ります。順番が来たので私も食券を購入し列に戻ります。券売機でラーメン(680円)を2枚購入、替え玉はその都度現金払いで100円だそうです。
並んで待つ事30分弱、やっと店の前まで来ました。しばらくするとスタッフの方が「おはいりください」と声かけくださいました。
店内に入ります。カウンター席が8席程ありますがコロナ対策で席間隔を空けています。私たちが案内された席も四人掛けのテーブル席でしたが二人だけで使用するようです。着席時に麺の固さを聞かれ「バリカタとカタ麺でお願いします」とオーダーしました。
テーブルには、ニンニク、辛子高菜、ショウガなどの入った容器が並んでいます。
待つ事10分足らず、出て来ました本場の博多ラーメン「バリカタ」です。黒いどんぶりには少し泡立つたスープにキクラゲ、チャーシュー、海苔、ネギが盛られています。
ニンニクと辛子高菜を乗せていただきます。
事前調査では、この店はスープに拘り、骨の隋まで全て出るまで煮込んでいるそうです。そのスープは濃厚でいてマイルドな感じで少し泡立ったスープが特徴のようです。まずはレンゲで一口・・・ トロッとクリーミーな感じで豚骨の旨味を感じますが、何故かあっさりしているようにも感じました。
麺は博多ラーメン定番のストレートな細麺で多少モチモチ感が感じられスープとの馴染みもいい感じでした。
全て完食、ごちそうさまでした!
妻は「美味しいけど、もう入らない」と半分程食べてギブアップ、私が残りをいただきました。替玉もしてみたかったのですが、さすがに私もこれ以上入りそうにないので諦めました。ごちそうさまでした。
店を出て、食後の運動がてら歩きますが・・・
博多駅近くで「もう歩けない~」と妻がギブアップ、TAXを止め乗車します。
走る事5分程、向かった先は博多の総鎮守と言われている櫛田神社(福岡市博多区上川端町)です。
櫛田神社は博多祇園山笠の奉納神社でもあるそうです。参拝の長い列が見えます。私たちも参拝します。
皆さん参拝のために整然と並ばれています。並ぶこと5分余りで参拝する事が出来ました。この神社に来た目的は「博多祇園山笠」の「飾り山」を見るためです。参拝を終えその「飾り山」に行ってみます。
本殿横にある「飾り山」です。博多祇園山笠終了後、通常の「飾り山」は追い山当日の0時で殆どが「山崩し」と言われる解体が始まるそうですが、この神社の「飾り山」は祭り期間以外に来られた観光客のために一年を通して展示されています。
10m以上ありそうな見事な「飾り山」です。博多祇園山笠は770年余りの伝統を誇る祭で、正式名は「櫛田神社祇園例大祭」と言うそうです。毎年7月1日から15日にかけて開催され「博多どんたく」と共に博多を代表する祭りの一つだと言われています。後で知った事ですが、この「飾り山」は裏からも見る事が出来たようで、前面側が「表」、裏面は「見送り」といいデザインも異なるそうです。事前調査不足でした・・・
櫛田神社の横から出ると博多川端通商店街の入口です。この商店街の中を歩いていくと川端ぜんざいの広場にも「飾り山」が展示されているそうですが今回は時間もあまり無いのでスルーします。
水車橋で博多川を渡り中州に入ります。
中州を歩き那珂川に向かいます。
那珂川に出て来ました。那珂川沿いでは屋台の準備が始められていました。まだ少し時間が早いようなので那珂川沿いを散策します。
福博であい橋付近までやって来ました。那珂川のクルーズ船が停泊しています。折り返し那珂川沿いを清流公園方面へ向かいます。
九州一の繁華街と言われる中洲、その那珂川沿いに並ぶ屋台を散策します。
クルーズ船がやって来ました。街並みのネオンや屋台の灯りを水上から楽しんでいるようです。
人通りも少しずつ増えてきました。
日も暮れて屋台の灯りが際立ちます。屋台の魅力は開放感と人と人とのふれあいで、日本文化の原風景のように思えます。
今回は余りお腹も空かなかったので屋台での食事はしませんでしたが、しっかりと中州の屋台の雰囲気を満喫させていただきました。
中州の南端にある清流公園までやって来ました。右奥に見える石灯篭は「博多町家寄進高灯篭《はかたまちやきしんたかとうろう》」で、石灯篭の四面に協賛した店の屋号が刻み込まれていて、今でいう広告塔のような物だったのではないでしょうか。1899年(明治32年)に遊園地「向島」が開園した記念に建設された灯籠で、1954年(昭和29年)にこの場所へ移設されたそうです。左奥に見える「キャナルシティ博多」へ行ってみます。
この施設内は大型専門店や映画館、ホテル、福岡シティ劇場などが入る複合商業施設です。
キャナルは英語で運河を意味し、文字どおり地下1階には疑似運河が流れ、その上にはイルミネーションが施され幻想的な光景を楽しむ事が出来ました。
光で埋め尽くされた運河のイルミネーションや、館の内外に施されたイルミネーションを楽しみながらキャナルシティ博多を散策しました。
キャナルシティ博多を散策し博多駅へ歩いて向かっていると、妻が「歩くの疲れた~」と言い出したのでTAXに乗車する事にしました。運転手から「お客さん博多駅とは逆方向なので、Uターンしますね」と言われました・・・ 何と博多駅とは逆方向に歩いていたようです・・・ このまま気付かず祇園駅迄歩いて行っていたら妻にお叱りを受けるところでした。
博多駅まで戻って来ました。
今回最後の駅弁を購入しよと見てみますが、お腹がいっぱいでとても食べれそうにありません。息子の土産に一つだけ購入する事にします。
駅弁と土産を購入し新幹線ホームに向かいます。
ホームに上がるとJR西日本が誇る500系新幹線が停車していました。この車両の先頭車両は全長27mのうち半分以上の15mが尖ったジェット戦闘機のような形状で、320km/hの営業運転のために設計された特徴的なスタイルをしています。
1996年(平成8年)に製造され当初は山陽新幹線区間の「のぞみ」として営業運転を開始、新大阪駅~博多駅間を最短2時間17分で結んでいました。その後運転区間は東京駅まで延長されましたが、東海道区間の最高走度は285km/hに抑えられているため、残念ながらこの区間では本来の性能を発揮する事は出来ませんでした。
この新幹線は19時19分発「こだま872号」新大阪行きです。500系新幹線は現在では「こだま」として運用されていますが、2015年から運行が開始されたエヴァンゲリオン プロジェクト「500 TYPE EVA」、2018年からはJR西日本とサンリオのキャラクター「ハローキティ」がコラボした「ハローキティ新幹線」が、現在でも新大阪駅~博多駅間で運行されています。
乗車する鹿児島中央駅始発、19時25分発新大阪駅行き「みずほ612号」が入線して来ました。
乗車するのは6号車の13-A席、13-B席です。この車両は8両編成で6号車の前半分だけがグリーン車で、後ろ半分は指定席となっています。
この車両もリクライニングシートとフットレストの代わりのレックレストが付いていました。レックレストは足を下から持ち上げてくれるのでとても楽に座ることが出来、長距離の乗車には最適です。
21時2分岡山駅に到着しました。
下車しました。九州新幹線は車体は青白いベースに濃藍色と蒔絵に使われているような金色のラインが入っています。
ちなみに、「みずほ」の名前は、1961年(昭和36年)から1994年(平成6年)迄の33年間、東京駅~熊本駅、長崎駅を結ぶ寝台特急の名前として使用されていて、2011年九州新幹線全線開業で新たに最速新幹線の名前として採用されたそうです。
21時3分発車する「みずほ612号」を見送ります。下り線には21時4分岡山着の「さくら573号」が入線して来ました。
乗換のため在来線ホームに移動します。
今の時間なら予定より一便早い21時12分発の「マリンライナー65号」に乗車出来そうです。
「マリンライナー65号」に間に合いました。
二泊三日の長旅を終え無事帰ってきました。岡山駅前には到底かないませんが、駅前のイルミネーションが出迎えてくれました。迎えに来てくれていた息子の車に乗り帰宅します。
帰宅後、「お腹が空いた~」という息子に土産の駅弁を渡します。
肉好きの息子のために「九州肉づくし弁当」(博多松栄軒、1,280円)を選びました。
この駅弁は佐賀牛のすき焼き、鹿児島黒豚のたれ焼き、宮崎牛の焼肉という三種類の九州の肉が楽しめるようです。息子は「どれも美味しいけど、佐賀牛のすき焼きは柔らかくてとても美味しかった」と言っていました。喜んでくれて何よりです。
今回は各地の駅弁をしっかり堪能し、目当てのモール温泉に入浴、クジラ料理もしっかりと満喫し、乗ってみたいと思っていた列車にも乗車することが出来、最後は今まで気になっていた博多ラーメンで締めることが出来ました。今回はずっと食べてばかりでほとんど動いていないため、また体重が増加したのではないかと心配です。しかし、美味しい駅弁を味わいながらの列車旅、妻もとても喜んでくれ久しぶりに妻孝行する事が出来ました。また機会を作って出かけてみたいと思います。妻も久しぶりの長旅で疲れたのではないでしょうか、私も明日は日勤なので今夜は早々に入浴し早めに休む事にします。
今回もJR西日本の「西なびグリーンパス」という超お得な切符を利用させていただきました。二人以上、50歳以上の年齢制限などがありますが、新幹線や在来特急を含むJR西日本管内の列車が三日間乗り放題、しかもグリーン車が利用出来るこの切符が三日間利用で何と一人25,000円(五日間タイプは30,000円)です。単純計算で今回のJR料金を合計すると一人当たり97,000円になります。二人利用なので約140,000円も得した計算になります。ただ、食事代や宿代など含めるとかなりの出費となってしまいましたが・・・ たまの妻孝行、これぐらい奮発しておかないと!