アッケシソウ(厚岸草)やサンゴ草(珊瑚草)と言えば、アッケシソウの名前のルーツでもある北海道の釧路市と根室市の間に位置する厚岸郡厚岸町、1891年(明治24年)に厚岸湖の牡蠣島で初めて確認され、町名がそのまま名付けられた植物です。また北海道網走市の能取湖にある「能取湖卯原内サンゴ草群落」は日本最大級のサンゴ草の大規模群生地として有名ですが、そのアッケシソウが何と岡山県にも自生していたのです!
そのアッケシソウがそろそろ見頃ではないかと思いツーリングがてら出かけてみる事にしました。
自宅から1時間余り、浅口市寄島に入ると牡蠣筏の先に三郎島が見えて来ました。
寄島総合支所の先にある交差点の案内標識の下に「⇦アッケシソウ自生地」という補助板があったのでこの交差点を左折します。
干拓地の中の直線道路を走り抜けます。
今は陸続きとなっている三郎島に入ります。アッケシシウ自生地はまだ先のようです。
三郎島の西端に「アッケシソウ自生地 入口」の仮設案内板がありました。ゲートが設置されていてここから入るようです。今年は10月15日~10月25日、9時~16時の間解放されているそうです。
堤防内側の道路を西に進みます。
アッケシソウ自生地に到着しました。
説明看板があります。
この柵から中には入れません。
アッケシソウは海浜植物で、海水の流入する塩湿地帯に生育し塩分に強い耐性を持つそうです。
西方向へ歩いて行きます。
赤く色付いてとても綺麗です。
目一杯クローズアップ! アッケシソウは葉が無いように見えますが、茎の先が葉のようで肉質な円柱形の独特な形が特徴的な珍しい草木です。
今回はG3Xの600mmが大活躍です。
珊瑚に似ていることからサンゴ草と呼ばれ、正式名称がアッケシソウです。
茎や葉が円柱形の独特な形をしていて高さ15〜30cm程、一年草のヒユ科の草本です。
しっかりとアッケシソウを満喫出来たのでバイクまで戻ってきました。せっかくなのでゲートを出て三郎島の南にある三つ子島を見に行く事にしました。
途中振り返って見た様子です。アッケシソウはこの堤防の内側に自生しています。
三郎島の南側に到着しました。潮が引いているので三つ子島が繋がっています。
干拓地から県道まで出てきましたが、笠岡方面へ少し進みロータリーでUターンし帰路に就く事にしました。岡山県にロータリーはここ浅口市寄島と加賀郡吉備中央町の二ヶ所に設置されている珍しい交差点です。
アッケシソウは北海道以外でも宮城県や瀬戸内海沿岸地域の塩田跡地で確認はされてはいたものの、そのほとんどが開発によって絶滅状態と言われています。今では本州で自生している場所はここ寄島だけだそうです。
寄島では1991年(平成3年)に寄島干拓地で生育しているのが確認されたものの当時は発表されなかったようで、2003年(平成15年)に寄島干拓地で群生地が確認され、翌年当時の浅口郡寄島町の天然記念物に指定、地域の方々により大切に保護育成されているようです。
以前北海道網走市にある能取湖で見て以来のアッケシソウでした。わざわざ北海道まで行かなくても身近で見る事が出来るので、妻にも是非見せてあげたいと思います。ちなみに、能取湖では形や紅葉すると紅く染まる様子が珊瑚に似ている事からサンゴ草(珊瑚草)と呼ばれています。