先日「蛍遊の水辺由加」で一緒になった方と話をしていて「岡山県自然保護センター(和気郡和気町)が緊急事態宣言で6月20日まで臨時休園しているので、今がシーズンのトキソウを今年は見られないのが残念ですね」と言うと、「トキソウならば総社市にある『ヒイゴ池湿地』で見る事が出来、ハッチョウトンボ等もいますが少し離れているので出来れば望遠レンズを持って行かれた方が良いですよ」という話を伺っていました。
ということで、今日はバイクで「ヒイゴ池湿地」(総社市福井)に行ってみる事にしました。場所は岡山道の総社PAのすぐ脇にあるそうなのでGoogle Mapで確認し、カメラ2台と100-400mmの望遠レンズをカメラバックに詰込み、三脚2脚それに防寒着等をバイクのトランクに入れ昼過ぎに自宅を出発しました。日中は暑いようですが夜になると冷え込む事も考えられるので、今の時期には防寒着は必需品です。
国道2号線の西田交差点から平田を抜け国道429号線で備中国分寺の脇を走り、鬼ノ城手前で岡山道の高架橋の交差点まで来ました。交差点には「ヒイゴ池湿地 ⇦ 駐車場まで1.5km」という案内板があり、岡山道沿いに少し走ると到着しました。
駐車場にバイクを置いて園内に入ります。入った場所に注意喚起の看板や園内の案内板がありました。
その少し奥に石碑がありました。石碑には、この「ヒイゴ池湿地」が岡山道建設時、市民団体等が自然保護のため道路構造等の変更を要望し、現在に至った経緯などが記されていました。
「ハッチョウトンボ観察ポイント」という案内板がありました。
木道を進みハッチョウトンボを探してみますが、如何せん1円玉程の大きさのトンボなので探すのも一苦労です。
湿地の中に雌のハッチョウトンボを見つけました。100-400(フルサイズ換算160-640mm)の望遠レンズがハッチョウトンボでも活躍します。
ハッチョウトンボは体長が2cm程で羽長は1.5cm程、1円玉程の大きさしかない日本一小さなトンボで、世界的に見ても最小部類のトンボだそうです。
雄のハッチョウトンボもいました。まだ羽化して日が浅いようです。
雄は羽化した頃は雌と同じような茶褐色ですが、1ヶ月弱で全体が鮮やかな赤に変わってくるそうです。この後周辺を探してみましたが結局出会えたのはこの2匹だけでした。園内を散策しながらトキソウを探してみます。
木道沿いに目を凝らしながら探します。
少し離れた場所にトキソウが咲いていました。ここでも望遠レンズが大活躍です。トキソウは草丈が10cm~30cm程で6月頃にラン科特有の花形に優しい色合いの1~2cm程の花を咲かせます。
その花の色がトキ(朱鷺)の風切羽の色に似ていることが名前の由来だそうです。
この後園内を探し歩き数輪見付ける事が出来ましたが、草の陰になり撮影する事は出来ませんでした。久しぶりにトキソウやハッチョウトンボ等に出会う事が出来、しっかりと歩くことも出来ました。少し暑かったですが自然の中を散策したり木陰のベンチに座り時間を忘れボーッとパイプを吹かしながら過ごしたりするのも日頃のストレス解消や気分転換には最高です。
しかし撮影中一寸したハプニングが発生…、G3Xが撮影中にバッテリー切れとなってしまいました。この後高梁市の「福地ホタルの里」にホタル撮影に向かう予定ですが9000D1台での撮影になってしまいます。せっかく三脚も2脚積み込んでいましたが活躍の機会を無くしてしまいました…。
今回この「ヒイゴ池湿地」を訪れて、高速道路建設という公共事業と自然保護とのバランスの難しさを考えさせられました。岡山県や総社市、NEXCO等の理解や協力もあり貴重なこの自然環境が存続できた事に感謝したいと思います。これからも次世代を担う子どもたちや、またその子供たちに豊かな自然を伝え残す事の重要性を感じました。
15時40分少し早いですが「福地ホタルの里」に向け出発します。