新型コロナウイルスの影響で長い間妻とのドライブを控えていましたが、8月に入り出来るだけ三密を避けて久しぶりに妻とドライブがてらで出かけることにしました。目的地は前回時間がなく立ち寄ることの出来なかった足立美術館(島根県安来市)と、前から気になっていた海鮮丼の店、山芳亭(鳥取県西伯郡日吉津村)です。
国道180号線で新見市を経由し鳥取県西伯郡南部町から鳥取県道県道1号線、島根県道1号線を走るコースです。自宅から約3時間半弱で足立美術館に到着しました。
私は今まで数回訪れたことがありましたが、妻は初めての足立美術館で、とても楽しみにしているようです。
足立美術館は、横山大観の作品の保有数が日本一とも言われ、大観の他にも多くの近代日本画の作家の作品や、北大路魯山人、岡山県井原市出身の平櫛田中の作品なども展示されています。また広大な敷地面積を誇る素晴らしい日本庭園を有する美術館としても世界的にも広く知られています。
先ずはその庭園からです。最初の庭園は「苔庭」です。
アメリカの日本庭園の専門雑誌のランキングで、2003年から17年連続で庭園日本一に選ばれているようです。
苔庭の奥には茶室のような建物が見えました。
ミッシェラン・グリーンガイド・ジャポンの三ツ星評価を得ている「枯山水」です。借景の山は尼子軍と毛利軍の戦いで毛利軍が陣を構えた勝山という山だそうです。
右方向です。先程の茶室のような建物も見えます。
正面です。
別角度から。
ハクセキレイがやって来て、庭園散歩を始めました。
お洒落な坪庭もありました。
「池庭」と言う庭園には睡蓮の花が咲いていました。
その近くを鯉が優雅に游いでいます。
睡蓮と鯉
この庭園は手前から奥方向に自然に目線が流れていく感じで、何か風景画を見ているような感覚を覚えました。
奥には茶室のような建物が見えます。説明文では煎茶室となっていましたが、煎茶室と茶室の違いについて気になったので、帰宅後お茶を教えている友人に聞いたところ、抹茶は歴史、格式、形式などに重きを置くのに対し、煎茶は割りと自由なところがあるそうです。また茶室は「にじり口」という小さな出入口があり全体に狭い造りなのに対して、煎茶室は「にじり口」も無く割りと明るく広い造りだそうです。
窓枠が衝立《ついたて》に見立てられています。奥に見える庭が衝立に描かれた絵画のように見え、まさに自然の衝立です。
こちらは、窓枠が掛け軸に見立てられています。「庭園も一幅の絵画である」と創設者の言葉にも頷けます。まさに自然の掛け軸そのものです。
中庭通路のなまこ壁です。
なまこ壁の通路を抜けると「白砂青松庭」と言う庭園が広がります。この庭園は横山大観の「白沙青松」と言う作品をイメージして造られたそうです。「白沙青松」と言う大観の頭の中の日本庭園が形になったようです。
正面です。
借景には横山大観の名画「那智乃瀧」をイメージしたという「亀鶴の滝」《きかくのたき》と言う滝も見えます。
手前の庭園は足立美術館の敷地内ですが、奥に見える滝は館外にある自然の山になります。借景とは上手く言ったものです。
竹林と清流
カケヒとつくばい
紅葉《もみじ》と苔など、わびさびのようなものを感じます。
今年4月にオープンしたばかりの魯山人館です。この中には北大路魯山人の書の代表作と言われている「いろは屛風」をはじめ沢山の作品が展示されていました。
久しぶりに素晴らしい絵画や陶芸、そして立派な庭園などをゆっくりと観賞することができ、妻もとても満足しているようでした。
美術館を出ると時間は既に14時前、妻からお腹が空いた!と催促です。次の目的地は海鮮丼の店山芳亭です。混雑時間を避けて遅い昼食です。
山陰道を走り米子東ICで一般道に降ります。ここから4km程北にあるイオンモール日吉津に向かいます。
イオンモール日吉津の駐車場の一角にある「新鮮市場」に到着しました。山芳亭はこの建物の中にあります。
昼食時間を避けた甲斐があってか、かなり空いていました。
メニューが並んでいますが、私の目当ての「紅ズワイガニスペシャル丼」が見当たりません。スタッフの方に伺うと「申し訳ありませんが、このメニューしかありません」との答え、無いものは仕方ないので私は「山芳丼」、妻は「境港サーモン昆布じめ丼」を注文しました。
店内はカウンター席とテーブル席が30席程ありました。
テーブル席には半透明な仕切り板が設置されていました。
壁には沢山の色紙が飾られています。
出てきました「山芳丼」です。
それにシジミの味噌汁が付いていました。
しばらくして、妻が注文した「境港サーモン昆布じめ丼」も出てきました。こちらはサーモンの上にイカ、イクラそれに温泉玉子まで乗っています。
これも美味しそう!
テーブルには「づけだれ」「じめだれ」「醤油」が置かれています。スタッフの方に「この出汁は使うのですか?」伺うと、「丼には出汁はかかっていますが、お好みでお使いください、でもあまりかけすぎると辛くなるので味をみながらお使いください」と教えていただきました。
「づけだれ」と「じめだれ」は丼にかけず、それぞれ魚単品でいただいてみました。私は「じめだれ」のほうが昆布の旨味が効いているようで美味しく感じました。
食事を終え、食堂の隣にある海産物売場を見てみます。
今が旬の岩牡蠣が何と一盛り1,000円と超お買い得となっています。母と息子のお土産に即購入決定!。左端には美味しそうな握りもあったので、これも母と息子の夕食用に購入しました。
隣の店には「ヤガラ」というあまり見たことの無い変った魚も売られていました。
お腹も大満足!。帰り道にちょっと寄り道して大山の湧水を汲んで帰ることにします。今日も大山が綺麗に見えています。
30分程で「地蔵滝の泉」(西伯郡伯耆町)に到着しました。近くの佐陀川《さだかわ》では数組の子ども連れの家族が水遊びを楽しんでいます。
案内板によると「地蔵滝の泉」は佐陀川の脇にあり『因伯の名水』や環境省の「平成の名水百選」にも選ばれているようです。以前は周囲を森林に覆われた5m程の滝があったそうですが、昭和34年の伊勢湾台風の影響で崩壊し現在のような状態となったそうです。
ここの湧き水は年間を通じて水温が11℃で、日量は19.4万tもあり八郷水道(370世帯)にも利用されているそうです。また、このお地蔵様は「芹川《せりがわ》地蔵」とも呼ばれ、昔はこの付近はセリの産地だったそうで、現在でも沢山のセリが群生しているとのことでした。
とても綺麗な流れで水量もとても多いようです。
岸辺には沢山のセリが生えています。
お地蔵様の真後ろに水汲み場があります。
持参していた容器に湧水を汲みます。とても冷たくて気持ちい~い‼️。
彼岸花の仲間の「狐の剃刀」《きつねのかみそり》が咲いていました。
帰りも大山が見送ってくれました。
自宅に帰り岩牡蠣の口を開くのが一仕事です。
何とか4つ共開きましたが、先端部の殻がかなり欠けてしまいました。
母も息子も岩牡蠣と握りを美味しい美味しいと食べてくれました。
今までは月に1~2度はドライブに出かけていましたが、新型コロナウイルスが拡がり始めてからは、ずっと出かける機会を無くしていました。今回久しぶりの妻とのドライブで、名だたる名画や陶芸、そして日本が世界に誇れる素晴らしい庭園もしっかりと堪能し、美味しい海鮮丼もお腹いっぱいいただきました。
今回のドライブで、毎日多忙な妻の多少なりともストレス解消になればと思います。